出版社内容情報
中世に鎌倉幕府・鎌倉府のもとで栄えた都市空間を精緻に分析、近世にかけて変容する過程を描き出し、その歴史的意義を考察する。なかでも、地籍史料から明治初期の景観を明らかにし、遡及的に中近世の空間の復元を試みる。一方、商業地である「町」と、武士・寺社の拠点「谷戸」の二元的構造が、中近世鎌倉の空間的骨格であったことを論じる。
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〈目次〉
序 章 中近世鎌倉の研究視角
1 都市から村へ/2 在方町としての展開/3 鎌倉研究の動向/4 本書の方法と構成
第一章 鎌倉の空間骨格―「町」と「谷戸」―
1 視角/2 地租改正資料に基づく空間復元/3 鎌倉時代の空間/4 南北朝期から戦国期の空間/5 江戸時代の空間/6 結語
第二章 「町」の変質
1 問題の所在/2 「町」の用例/3 中世前期の商業活動/4 中世後期以降の展開/5 明治初頭の職業構成/6 結語
第三章 都市的居住の解体と名所の形成
1 視角・ねらい/2 都市居住のかたち/3 名所の形成/4 近世への展望四 近世への展望
第四章 徳川家康の地域再編―「鎌倉十ヶ村」の創出―
1 画期としての天正十九年/2 戦国期の状況/3 小田原征伐後の寺社領再編/4 江戸時代の所領構成/5 結語
第五章 鶴岡八幡宮の再興と門前空間の変容
1 問題の所在/2 明治初頭の鶴岡八幡宮門前/3 豊臣氏・徳川氏による施策/4 社人居住地の変化/5 参詣拠点としての展開/6 結語
第六章 「鎌倉中」と鎌倉の「村」
1 二つの領域/2 「鎌倉中」/3 「村」/4 結語
第七章 土地支配と村の領域
1 近世鎌倉における「名寄帳」/2 扇ヶ谷村の所領構成/
3 名寄帳の年代区分/4 天和二年名寄帳/5 江戸後期名寄帳/6 明治期名寄帳/7 結語
結 章
1 鎌倉の都市像とその特質/2 中近世における空間・領域の変容
あとがき
付録-索引
【目次】



