内容説明
兵庫県の小野市と加西市にまたがる青野原には第一次世界大戦のときに捕虜の収容所が設置されていた。そこにはドイツ、オーストリア=ハンガリーの捕虜兵500名が収容されていた。第一次世界大戦の捕虜兵は700万人とも800万人ともいわれている。500名はその一万分の一の存在にすぎないが、そこから世界が見えてくる。
目次
1 青島攻略と捕虜の発生
2 姫路での生活
3 青野原俘虜収容所の日々
4 大戦の終結と帰還
著者等紹介
大津留厚[オオツルアツシ]
1952年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。神戸大学大学院人文学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Nobuko Hashimoto
21
松山や徳島の板東俘虜収容所は映画にもなっているが、日露、第一次大戦時には、ほかにもたくさんの捕虜収容所がつくられた。兵庫県小野市と加西市にまたがる青野原もその一つ。第一次大戦までは、日本はハーグ条約にもとづき、自国の軍隊と同等の処遇を維持するよう努めた。そのため、所内では娯楽やスポーツ(体操、テニス、サッカーなど)、文化、生産活動も行われた。地元民との交流もはかられた。青野原に収容された捕虜は技術者が多く、様々なものを作って販売もした。今は納屋と井戸くらいしか残っていないが、一度訪ねてみたい。2019/05/30