歴史のフロンティア<br> ドイツ海軍の熱い夏―水兵たちと海軍将校団 1917年

歴史のフロンティア
ドイツ海軍の熱い夏―水兵たちと海軍将校団 1917年

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 361,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784634482104
  • NDC分類 397.234
  • Cコード C0322

内容説明

1917年、ドイツ大海艦隊を揺るがせた水兵たちの反逆。「胃の腑の問題」をめぐり、対立を深める海軍将校団と水兵たち。そこにくりひろげられる、多様な「抵抗」と「言説」の世界を、日記や書簡・供述調書など、多彩な史料を駆使して生き生きと描き出す。

目次

第1章 2つの世界・2つの魂
(1916年のクリスマス;歴史のなかの「熱い夏」;軍国主義と2つの魂)
第2章 水兵・海軍当局・独立社会民主党(糧食委員会問題の登場;戦艦「フリードリヒ大王」における運動;ライヒピーチュと独立社会民主党指導部)
第3章 水兵たちの「熱い夏」(戦艦「摂政ルーイトポルト」のハンガーストライキと二つの運動中枢;糧食委員会運動;艦隊中枢の形成と「ストックホルム・リスト」運動)
第4章 昂揚と壊滅(「摂政ルーイトポルト」の上陸ストライキ;運動の弾圧)
終章 「熱い夏」その後

著者等紹介

三宅立[ミヤケタツル]
1937年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。現在、明治大学文学部教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

MUNEKAZ

13
大戦中の1917年、ドイツ海軍の戦艦「摂政ルーイトポルト」「フリードリヒ大王」で起きたストライキ闘争を描いた一冊。水兵たちの証言を多数紹介しながら、将校団との軋轢や悪化していく食糧事情を理由とした自然発生的な待遇改善の要求が、社会主義政党との接触により急速にイデオロギー化していく様子を追う。結局、本格的な蜂起に至る前に鎮圧されるのだが、これがただの幕間狂言ではなく、その後のキールの水兵反乱、ドイツ革命に至る前奏曲と考えれば面白い内容。ロシアの地で起きた革命の余波は、遠くドイツの軍港まで届いていたのだ。2020/11/30

皿笊

3
WWⅠ期のドイツ海軍、戦艦内部における将校と兵の対立が1917年夏の反逆へとつながる様を直接的史料を駆使して克明に描き出している。パワハラ、食事への不満というどこにでもありそうな問題がイデオロギー化、システム化され政治色が絡んだ事態へと発展していく。水兵達自身の日記や証言に基づくため、かなり生々しく当時の空気を感じられた。2017/01/17

スカイバニラ

2
1918年の独大海艦隊の反乱の1年前の夏に起きた戦艦「フリードリヒ大王」「摂政ルーイトポルト」両艦の水兵によるストライキ運動の過程が詳しく紹介されてる本。当時のドイツ海軍将校と水兵の確執、艦上の生活や置かれていた状況等が知ることが出来る良い本かと。腐ったジャガイモが食卓に出されたら、さすがにキレるだろうけど、当時の乾燥野菜ってそんなに不味かったのかな…?2008/09/15

牧野

1
この本では1917年夏の「摂政ルーイトポルト」のストライキ事件に至るまでの過程、その結末を水兵達の日記や回想記、将校らの調書などを駆使して描いている。第一次大戦期は、戦争が「世界化」し、政治・経済・社会と結びつき「システム化」され、世論を動かすために「イデオロギー化」されていくという変遷の時代であった。その中で、ドイツ水兵たちはどのような不満を抱き、どのような手段を持って待遇の改善を求めたかを学ぶことができる。戦争への内部批判がほぼ皆無となり、その結果灰燼と帰したWW2ドイツとの比較をしたくなった。2014/03/25

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/55474
  • ご注意事項

最近チェックした商品