内容説明
産業化と都市化の進む19世紀のパリ。それはゾラの『居酒屋』の舞台であり、『天井桟敷の人びと』の世界でもあった。それぞれに個性的な5人の労働者エリートを介して、「進歩」と「伝統」のはざまに揺れる人びとの姿を描く。ふたつの時代の交錯するパリ。
目次
序章 産業化と労働者エリート
第1章 ロンドン万国博覧会とトラン―労働者エリートの登場
第2章 労働信用組合とブリューズ―ブルジョワと労働者エリート
第3章 パリ万国博覧会とタルタレ―産業化と労働者エリート
第4章 パリ民衆の世界―帝都パリと民衆の日常世界
第5章 公開集会とブリオヌ―「革命的」民衆と労働者エリート
第6章 インターナショナルとヴァルラン―社会の「再生」を求めて
終章 「進歩」と「伝統」のはざまで