内容説明
選挙区を移動しながら、下院選挙に出馬する議員たち。彼らはなぜ生涯に何度も選挙区を変えるのか。今日とは異なる、18世紀イギリスの議会政治の実像に迫る。
目次
第1章 ふたつの選挙戦
第2章 十八世紀の下院議員
第3章 下院議員の群像
第4章 選出区移動からみた議員
第5章 国民代表の実像
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rinv0925
1
日本とはかなり異なる十八世紀イギリス議会政治。本書では主に下院を中心にウェストミンスターなどの地域的分野から焦点を当てられ、下院の議員になるメリットやその階級構成、実は社交場(サロン)として機能していた下院であったり、下院議員を指導するパトロンの存在であったりと、統計学的且つ実証的に論じられていた。2015/11/24
モノノ
1
タイトルからして現在の日本の常識と違う!18世紀当時の下院議員であった方々が何を考え、何のために議員をしていたのか。選挙人は何を議員に求めていたのか。それらを統計を基に具体的かつ、納得のできる論で展開しています。英国史に関連のある文献でこの本が参考文献とされ、引用をされているのが納得できる本です。ただ、あとがきでも著者が言っておりますが、やりきってない感というか、もう少し書きたかったのでは...?と思いました。2014/10/11
バルジ
0
現代の選挙制度に慣れた者としては、「議員が選挙区を選ぶ」というのはやや奇異に聞こえるかもしれないが、個々の選挙区事情が同じ議会制度とは思えないほど多様なことを考慮すると納得出来るものであった。 議員は地域代表か、それとも人民代表かという現代でも問われるような議論が18世紀に勃興し、後者が各議員にある程度共通認識として持たれていたのは興味深い。2017/12/24