目次
イスラームを支える学者たち
第1章 イスラーム学者の登場(クルアーン正典の結集;アラビア文字の改良とクルアーン読誦学 ほか)
第2章 学問修得の方法(宗派の形成と学問修得方法の定式化;読誦の重視 ほか)
第3章 職業としてのイスラーム学者(裁判官(カーディー)の仕事
マクタブとマドラサ ほか)
第4章 地域のなかの学者(アブー・ジャラーダ家のアレッポ移住;学者名家への道 ほか)
著者等紹介
谷口淳一[タニグチジュンイチ]
1963年生まれ。京都大学文学部卒業、京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学、博士(文学、京都大学)。専攻、イスラーム時代西アジア史。現在、京都女子大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Koning
42
中世のウラマーたちのあれこれ。後半を読むとなんで、アレッポはこうも(泣。という。しかし、ファトワー出しちゃいけない令とかきっついなぁ。んでもやっぱり声に出して読めってのは正しいと思う(いや、ここで書くこっちゃないんだけど)2016/10/19
ゲオルギオ・ハーン
20
『イスラームを知る』2巻はイスラーム法学者について。イスラーム教の歴史でカリフの宗教的権威が失墜した理由も書いている面白い一冊。アッバース朝のカリフ マームーンはカリフの権威を絶対的なものにしようとクルアーン(神の啓示)は神の被造物に過ぎないと定義しようとした。つまり、神と違って絶対的なものではないのでカリフの仲介が必要だとしてカリフの地位をキリスト教におけるローマ教皇のような神の代理人にしようとする。しかし、法学者やイスラーム教徒の多くはクルアーンも神と同じく絶対的なものとしてカリフの仲介に反対する。2021/01/03
サアベドラ
6
中世のイスラーム学者(ウラマー)の諸相。具体的には、イスラーム諸学の発生とイスラーム学者の誕生の経緯、学者になるための教育制度、イスラーム学者が就いた職業(裁判官、マドラサやマクタブの教官)についてなど。最後の章ではアレッポで多数の学者を排出したある名門一族を取り上げ、彼らが地域社会でどのような役割を果たしていたかを史料を駆使して描く。湯川武『イスラーム社会の知の伝達』(山川世界史リブレット)と一部内容が重なるけど、学者を対象にしている分、こちらのほうが知識と社会の関係をイメージしやすい。2012/12/20
西夏
1
課題の本。聖と俗という相反するものをテーマにしていることに惹かれた。7世紀におけるイスラームの勃興から、オスマン期までの流れが記されている。 イスラームの学問としての成立について学ぶの時には読んでみると良いと思う。2014/12/09