内容説明
本シリーズは国家の視点ではなく、地域の視点から歴史全体を見直そうとする試みであり、「地域」の概念それ自体の再検討から出発するところに特色がある。地域は、東アジア、ヨーロッパ、などという形で、歴史を通して不変にあったのではなく、人々の営みや相互の交流によっていろいろにつくりかえられてきた。そのような地域の実態をさまざまな視点からとらえなおし、そこに現れた「地域」で世界史を読み解こうとするものである。
目次
1 アイデンティティの危機と地域(アラブ主義の現在;生態系の危機と地域―カリマンタン;国家の危機と地域―南アジア)
2 つくられるアイデンティティ(地域と言語;地域の再発見―ウクライナ;つくられる歴史―旧ユーゴスラヴィア諸国)
3 ポスト国民国家の地域(国民国家と地域協力―ASEAN;国民国家をこえるか―国民国家の変遷とヨーロッパ連合から考える)



