目次
序章 一神教世界の歴史と文化のなかで
第1章 古代イスラエルの宗教からユダヤ教へ
第2章 一神教のなかのユダヤ教
第3章 世界秩序の変遷のなかで
第4章 近代国民国家とユダヤ人
第5章 世界大戦と祖国建設運動
第6章 ユダヤ人の国民国家と世界市民
付録
著者等紹介
市川裕[イチカワヒロシ]
1953年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たかしくん。
21
馴染みの薄い日本人にとって、一神教の元祖ユダヤ教の意義を捉えさせてくれます。当初のその特徴とは「安息日と割礼!」。衝撃のイエスの登場とキリスト教の発展により、以降、ユダヤ教から派生したキリスト教とイスラム教の間で、「キリスト殺し、回心を拒む頑固者」とレッテルが張られ各国を彷徨うユダヤ人の歴史。そして、20世紀前半まで安住の地の1つであったドイツにおける「大虐殺」とその後の「イスラエル建国」。誇り高き宗教と民族の波乱の歴史をまざまざと見せつけられます。ついで乍、今を時めくアドラーさんもユダヤ人なのですね。2014/09/11
テツ
20
イスラエルという国について、その成り立ちや現在の様子について腑に落ちないというか色々と考えてしまうところはあるけれど、その信仰と密接に絡まりながらの迫害と流浪の歴史を知ってしまうと彼らユダヤ人の長い長い祈りと悲願の声が耳に残り単純な批判をするきもちを失ってしまう。信仰は無駄で無意味でありながら人間という存在に密接に絡まってしまっている。これを解きほぐし自由になれることなんて未来永劫ありえないんだろうな。2017/12/17
ジュール リブレ
11
ユダヤ教とは?とあわせて、イスラム教やキリスト教の"同根"の中東で発祥した宗教との違いとかもあわせて、近代~現代までもおさえてあるのはなかなか。でも、やっぱりわからない、のは、日本人と一神教の相性なのでしょうか。。。世界はどう動くか?2012/01/08
田中峰和
5
ユダヤ教の教義では、母親をユダヤ人として生まれた血縁上のものと、宗教的信仰によってユダヤ人になったものとの両方が含まれる。周囲の異教徒との明確の識別を生んだ要素に安息日と割礼がある。七日に一度の安息日は聖なる時間によって生活を組織化し、キリスト教にも継がれた。生後八日目に受ける割礼は神との契約を肉体に印すだけでなく成人後の包茎手術を不要にする。洗礼と比べ、割礼は肉体に刻まれる印として多民族、他宗教と差別化される重要な要素。無意味な食事制限と1日5回の礼拝によって、停滞を続けるイスラームに比べ合理的だ。2018/02/14
Yosuke Saito
2
ユダヤ教史の便利な通史本。2011/12/08