内容説明
伝統的国制に基づく議会制民主主義のもと、保守主義とラディカリズムの均衡を保ち、安定した「民間公共社会」を発展させてきたイギリス。帝国の喪失による「英国病」を克服し、再建の道を求めるにいたる歴史を、19世紀後半まで遡り、ダイナミックに解き明かす。第2部ではイースター蜂起以降のアイルランドを扱う。
目次
イギリス(イギリスという国;伝統の継承と変革―400年の近代化過程;保守党・自由党時代のイギリス;第一次世界大戦とイギリス;第二次世界大戦とその後のイギリス)
アイルランド(アイルランドという国;大転換;アイルランド自由国から共和国へ;現代のアイルランド;北アイルランド)
感想・レビュー
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MIRACLE
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連合王国とアイルランド共和国について、前者は1868年ー1964年までの約100年間、後者はイースター蜂起(1916年)以降の歴史をのべた本。前者の1868年とは、第二次選挙法改正による初の総選挙でグラッドストンの自由党内閣が、成立した年だ。つまり、二大政党制による大衆デモクラシー実現の仕組みが確立した年を、起点にしている。そして、イギリスの現代史を民間公共社会(civil society)の発展の過程ととらえ、その実現を阻む難問に、議会制民主主義という手法でいかに取り組んできたか、を重点的に描いている。2013/02/28