出版社内容情報
1929年アメリカは未曽有の大恐慌に突入した。フランクリン・ローズヴェルトは経済が悪化する一方であった1933年に大統領に就任し、さらなる悪化を防ぐべく悪戦苦闘しつつ、アメリカの政治と経済を大きく変革した。
1939年に第二次世界大戦が勃発するなかで彼はアメリカ史上ただ一人3選、そして4選され、連合国の勝利と国際連合など戦後世界の骨格が見えつつあった1945年4月に逝去した。
この間、連邦政府の役割、国際政治におけるアメリカの重みも大きく変化した。それは彼のリーダーシップによる部分が大きい。しかし本書では彼を「偉人」として持ち上げるというよりも、例外的に重要な役割を担った人物として捉え紹介する。
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〈目次〉
ローズヴェルトを語る意味
生い立ちから州知事まで
ニューディール
第2次世界大戦とローズヴェルト
内容説明
人をとおして時代をよむ。
目次
ローズヴェルトを語る意味
1 生い立ちから州知事まで
2 ニューディール
3 第二次世界大戦とローズヴェルト
著者等紹介
久保文明[クボフミアキ]
1956年生まれ。東京大学法学部卒業。博士(法学、東京大学)。専攻、アメリカ政治史。現在、東京大学名誉教授、防衛大学校長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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TS10
15
フランクリン=ローズヴェルトの評伝。世界大恐慌や第二次世界大戦に折衷的に対応していった生涯を描写する。第二次世界大戦下の外交や戦後構想等を興味深く読んだ。チャーチルの主張を容れ、バルカン半島に第二戦線を開き、ソ連の東欧支配を阻止しようとしなかったのは、米軍死傷者を減らし、国連を成立に導くためだったと指摘している。それにも関わらず、ローズヴェルトは、国連によって得られる平和は、当面二、三十年程度だと考えていたという。彼の国連創設への執着や戦後構想は正直な所、不可解に感じられた。2024/10/16