出版社内容情報
独ソ戦に勝利した偉大な指導者か、大量抑圧を推進した冷酷非道な独裁者か、スターリンに対する評価は今日も揺れ動く。本書は、ソ連国家の確立と拡大に重ねあわせて彼の生涯を描き出す。
内容説明
ロシア帝国の支配下にあったグルジアで靴職人の子に生まれ、社会主義ソ連の最高指導者となったスターリン。彼はソ連国家をアメリカ合衆国と並ぶ超大国へと導いたが、それは反対者を容赦なく弾圧し国民に多大な犠牲を強いた長い道のりであった。独ソ戦に勝利した偉大な指導者か、大量抑圧を推進した冷酷非道な独裁者か、スターリンに対する評価は今日も揺れ動く。本書は、ソ連国家の確立と拡大に重ねあわせて彼の生涯を描き出す。
目次
独裁者の死
1 地下活動家から歴史の表舞台へ
2 レーニンの後継者
3 スターリンの「上からの革命」
4 テロルと戦争
5 超大国の指導者
著者等紹介
中嶋毅[ナカシマタケシ]
1960年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学、博士(学術)。専攻、ロシア近現代史・在外ロシア史。首都大学東京大学院人文科学研究科教授。著書、訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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新田新一
17
独裁政治によって、ソ連を大国として確立したスターリンの生涯が描かれています。スターリンの政策に良いものは皆無であることがよく分かりました。農業を集団化することで、農民たちを極度に弾圧したことが、後の独裁化につながったことが書かれています。このことから、まじめに働く普通の人を苦しめる政治は、危険なものであることを実感しました。スターリンの晩年は惨めなものです。疑い深くなりすぎて、孤独な死を迎えます。別荘で倒れて、放置されていたそうです。自業自得と言えるのですが、この死に方は気の毒に感じました。2024/05/03
ふみあき
3
ヨシフ・ヴィッサリオノヴィチ・スターリン──血にまみれた希代の暴君。このような人物を現在のロシアの最高指導者が高く評価し、再び英雄に祭り上げようとしているという事実には、眉をひそめざるをえない。2020/11/25
ア
2
スターリンこわすぎ人殺しすぎ…2020/12/24
aoi
2
ふんわ〜り読みとくスターリン☝️2020/09/11
ryotarocheak
2
恐怖によって覇権を握った独裁者は、自らが生んだ恐怖が故に人生の幕を下ろしたのだ。 2018/08/18