内容説明
男性中心の清朝末期の社会で、西太后が48年間政治権力の座にあったことは特筆すべきであろう。そのうえ、内憂外患の時代、政権の運営は困難であった。同治帝の即位とともに官僚たちの洋務運動を認めたが、光緒帝の戊戌変法は弾圧し、多くの人を犠牲にした。そして八カ国連合軍に宣戦布告するものの敗れ、革命運動を台頭させることとなったのである。
目次
内憂外患の時代と西太后
1 太平天国と洋務運動の時代
2 日清戦争の時代
3 戊戌の政変
4 西太后と義和団運動
著者等紹介
深澤秀男[フカザワヒデオ]
1935年生まれ。東京教育大学大学院文学研究科博士課程中退。専攻、中国近代史・キリスト教史。岩手大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
電羊齋
6
問題だらけの駄本。第一に、一応副題で「清末動乱期の政治家群像」と断ってはいるものの、西太后本人、西太后と政治家たちとの関係についての記述が少なすぎること。第二に、著者による研究や分析というものがまるで見られず、単に洋務派・変法派官僚の略歴を羅列しただけであること。第三に、本文や注に誤りが多いこと。第四に、注には誤りとまではいかなくとも内容が全く説明になっていないものも多いこと。私が問題のある個所にポストイットを貼っていったら、本が刷毛のようになってしまったほど。こんな本をよく出版できたものだ!全く!2014/09/09
ジュンジュン
5
西太后の伝記というより、副題の「清末の政治家群像」が主になっている。「リブレット」という紙数が少ない上に、多人数を詰め込んだため、官僚達の履歴書を読まされている感じ。西太后一本で勝負してほしかった。2020/06/21
中島直人
3
(図書館)読了。周りの人々についての記載ばかりで西太后自身に対する言及がほぼない。タイトルがおかしいのでは。2022/04/16
四四三屋
3
書名から想像していた、四十七年に渡って政治の中枢に君臨した西太后のパーソナリティ、そしてそこから生じた中国史における転換期の実相を明らかにする、ということはなく、副題の通り清末政治家たちの略歴を紹介するにとどまっている。結局西太后は清末の数多い政治家たちの中に埋没し、その特異性が浮き彫りになることはない。垂廉聴政という特殊な方法であったとはいえ、なぜ彼女が権力の座にとどまり得たのか? それが判ってこないが、人物を調べるのには記述がコンパクトにまとまっていて便利かも知れない。2014/08/19