内容説明
ビリャとサパタは、1910年に勃発したメキシコ革命を語るのに欠かせない伝説的英雄である。馬蹄轟く硝煙の革命動乱期に活躍したが、敵の謀略にかかって革命の成果をみることなく殺害された。ビリャもサパタも確固たる革命思想をもって行動を起こしたわけではなかったが、抑圧された農民と民衆が解放される新秩序へ向けて、社会のあり方を大きく変えるきっかけとなったメキシコ革命に貢献し、今なお民衆の間に根強い人気を保っている。
目次
ビリャとサパタを考察する意味
1 メキシコ革命におけるビリャとサパタ
2 ビリャと革命運動
3 サパタと革命運動
4 カランサと対立したビリャとサパタ
著者等紹介
国本伊代[クニモトイヨ]
1938年生まれ。東京外国語大学スペイン語科卒業。東京大学大学院社会科学研究科(学術博士)。テキサス大学大学院史学研究科修了・Ph.D.(歴史学博士)。専攻は歴史学・ラテンアメリカ近現代史。中央大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
S.Mori
12
メキシコ革命を指導した二人の人物について書かれた本です。専門的な内容で、20世紀初頭のメキシコの複雑な政治状況が書かれ、ビリャとサパタが歴史の表舞台に立つようなった理由が分かるようになっています。農民の土地を一握りの特権階級が独占し、それに対する蜂起が各地で起きて、反乱を率いたのがこの二人です。他の国の革命家にくらべて、この2人は良心的で、特に土地を持たない農民に農地を与えるために気を配ったそうです。でも二人は殺されてしまいます。結局この世では真の正義を実現しようとするとうまくいかないのかもしれません。2020/01/05
伊藤チコ@革命的cinema同盟
2
辛辣なこと言うとこの二人は政治家の素質はなく、やみくもに国土を荒らしてしまった感はある。確かに良心的な面はあったかも。でも時の権力との妥協と交渉がうまくできなかったのはちょっとね。また二人は根拠地を中心に考えていたので、自治権のある州のトップというかそういうのには向いていたのかもしれない。ある意味戦い続けることに存在意義があったのかもしれない。まあ、二人を懐柔できなかった護憲派もちょっとね。オブレゴン大統領の登場が遅すぎた。2020/06/14
-
- 電子書籍
- 滅びゆく農協(Wedgeセレクション …