内容説明
ドイツ帝国の建国者として知られているビスマルクは、なぜプロイセンの指導者になることができたのだろうか。1848年革命のときには実現できなかったドイツの国家的統一を、なぜ彼は実現することができたのだろうか。そして、彼が築いたドイツ帝国はどのような特徴をもつ国家であったのだろうか。時々のビスマルクを取り巻く背景や状況に注目しながら、これらの問いにたいする答えを追求する。
目次
ドイツ帝国の建国者
1 プロイセン首相への道
2 ドイツ統一への道
3 ビスマルクの築いたドイツ帝国
著者等紹介
大内宏一[オオウチコウイチ]
1946年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。専攻は近代ドイツ史。現在、早稲田大学文学学術院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
marty@もぶおん学
7
ビスマルクの波乱に富ん生涯がコンパクトにまとめられており、ビスマルクという人物をおそらくもっとも要領良く知ることができる一冊。歴史研究の蓄積を踏まえ、賛美にも批判にも偏ることなくバランス良く解説されている。人名・用語解説も丁寧であり、要所にある図表も理解を助けてくれる。ドイツ帝国建国が実現できたのも様々な状況を利用する「術」に長けていたためであり、帝国成立後の複雑な外交政策も状況を読むことに巧みなビスマルクだからこそ成し得たことと思われた。2024/05/02
皿笊
2
プロイセンの指導者であり、ドイツ帝国の建国者であるビスマルク。本書はその時々の彼の背景や状況に注目しながら何故統一を成し得たのか、帝国はどのような特徴を持つのかという問いにせまる。概略だけでも状況を的確に読み取り行動するセンスに長けていると感じた。その後の神格化も、バッシングも頷けるほど強烈な政治家。2017/04/01
伊藤直起
1
ビスマルクはシュレスヴィヒ=ホルシュタイン戦争の宣戦布告にて、当時の国内の世論のように「クリスチャンの両公国の領有を認めない」という主張では国際世論に逆行し、英仏の介入を招くとして、別の理由で宣戦布告を実行した。こうして、英仏などの大国による介入を防ぎ、万全の中、デンマークをタコ殴りにすることができた。 この話から思うことは、国際的な影響力を考えた上で、大義名分を考える必要があるというのをしみじみと感じた。2020/11/13
Fumitaka
1
ビスマルク外交がうまくいったのはチャンスを掴み取る本人の資質に加えて時代の要請にも沿っていた点みたいなのは、いわゆる歴史上の大人物について記述する時に無視しちゃいけない点だと思うので、落ち着いた記述に感謝します。伝統的な評価に加えて後世に明らかになった事実とかも書かれてるのがいいですね。あとヴィルヘルム2世は駄目な奴だと思ってたんですが労働法巡ってビスマルクとやり合ったみたいなのはちょっと意外だったんで見直しました。まあ第一次世界大戦周りはやっぱ駄目だと思いますが……2019/09/05
kazutoshi
1
ドイツ帝国の建国の歴史はビスマルクの役割が大きい。彼はどのようにしてプロイセンの指導者になり、どのようにドイツ帝国を建国し、どのように国家を指導したのか、三つのテーマから描いたビスマルク論。本書は100ページにも満たないが、しっかりまとまっている良書である。2013/06/23
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