内容説明
十五世紀、バラ戦争の時代を生きたジェントリの生活と、それを支える無名の人々の営みが、家政会計記録からいまあざやかによみがえる。ジェントリの史料をとおして、中世イングランドの社会を理解してみよう。
目次
史料を読むとはどういうことか
1 動産目録の謎を解く
2 史料のかたちから情報をえる
3 家政会計記録に見る四季の暮らし
4 滞在客の記録
5 家中の消費から読む社会的身分の差
著者等紹介
新井由紀夫[アライユキオ]
1960年生まれ。東京大学文学部卒業、同大学院人文科学研究科博士課程中退。専攻、イギリス中世史。現在、お茶の水女子大学基幹研究院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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組織液
10
15世紀のジェントリ、ラングリィ家の会計記録から当時の暮らしや格差などを読み取っていく本です。想像していた内容とは違いましたが、史料の読み取り方や考察などは非常に参考になりました。大学で歴史を学ぶなら読んでおいた方がいいと思います。2021/02/13
肥前文俊
2
貴族ではないけれど、準貴族と捉えられなくもないジェントリという階級について分かりやすく解説してくれる本でした。日本でいうと庄屋……が一番感覚としては理解しやすいでしょうか。農民、平民階級でありながら、顔役としても位置する。どのような生活をしていたのかが、季節(特に食事)や会計についての記録から紐解かれています。