内容説明
13~14世紀のユーラシアを席巻した巨大遊牧帝国に対し、朝鮮半島の人びとは、個人またはさまざまなレベルの集団で、柔軟かつしたたかに生き抜く道を模索していた。それは「抵抗か、さもなくば屈従か」という単純な二分法で理解できるものではない。厳しい国際環境の制約下で自己存在の定立をはかろうとする姿の複雑さと巧みさは、時代と地域を超えた普遍性につながる朝鮮史の醍醐味のひとつである。
目次
朝鮮史における「タタールのくびき」
1 モンゴルの侵略と元との講和
2 日本経略と対元関係の変化
3 世界帝国のなかの高麗王
4 国内政治空間の変容
5 「混一」時代の国際交流