内容説明
社会、あるいは世界史の大きな流れの中にいる人間は、自分自身の立っているところ、その立脚点について歴史的に深く思い及ぶだろうか。いま、私たちは「技術文明にもとづく市民社会」という大きな世界の中にいる。人間は、これからこの世界の中で、どうやって科学・技術に対処していったらいいのだろうか。その答えやヒントは、近代社会の中で、技術がたどってきた道筋を検証することによって得られるのではないだろうか。これが本書の主題である。
目次
社会現象としての技術
1 近代技術の黎明
2 技術の定義
3 技術の波及
4 技術者の養成
技術と文化、技術と文明
著者等紹介
種田明[オイタアキラ]
1949年生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業。同大学院経済学研究科単位取得退学。専攻、ドイツ社会経済史・技術史、産業遺産研究・産業考古学、博物館学。現在、静岡文化芸術大学文化政策学部教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こずえ
0
産業革命を理解するのに良い本。同じ世界史リブレットシリーズにある『産業革命』と一緒によむと良い。
すがの
0
「余暇」という語の誤訳の話に惹き付けられた程度。英語のレジャーは「仕事から解放された、自己実現の時間」。ギリシャ語のスコレーは「余暇を利用して学ぶこと」が転じてスクールとなった。2015/02/08
usoki
0
技術か社会を変え、社会が技術を要請する。ダイナミックな相互作用。2010/11/08
Omata Junichi
0
「技術」っていうと普遍的でどこでも変わらないやり方だと思われるけど、本当は地域とか国家とか社会ごとに異なる文脈のなかで用いられていて、そうした個別の「技術」が地域とか国家のあり方を変容させていくんだよ、ということを述べた本。単なるモジュールとして捉えるのではなく、というのはわかるけど、なら同じ技術の地域的な差異みたいなものを、ヨーロッパに限定せずに歴史的に説明してほしい。あと、ちょいちょい出てくる粗雑な日本文化論みたいな文章が要らなすぎる。これを入れるから、「最近の若いモンは」みたいな内容になってウザい。2020/10/15