内容説明
十九世紀の工業化の時代、農村から職を求めてたくさんの人たちが都市や工業地帯に移り住むようになった。そこで発生した社会問題をどのように解決するのか、そして民衆の暮らしはどのように営まれたのか。ドイツの労働者住宅を手がかりに、その歴史的変遷をたどり、住宅とそこに住む人びとの視点から十九~二十世紀ドイツ社会史の一側面を照らし出す。
目次
1 労働者住宅の成立ち
2 工業地帯の労働者社宅
3 大都市の労働者街
4 労働者生活圏の変容
著者等紹介
相馬保夫[ソウマヤスオ]
1953年生まれ。東京教育大学文学部史学科西洋史学専攻卒業。東京大学大学院社会学研究科国際関係論博士課程単位取得後退学。専攻、ドイツ・ヨーロッパ近現代史。東京外国語大学外国語学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こずえ
0
私が知る限り、日本語でドイツの労働者住宅問題などというニッチな問題について簡潔にかかれた本をこれ以外知らない。都市工学や住宅社会学などを勉強している人におすすめ
yraurb
0
第一次大戦前後から発生した労働者階級の住宅事情についてまとめられた本。江戸時代の長屋を積み重ねたような集合住宅が「賃貸兵舎」と呼ばれて、なかなか劣悪な環境だったらしい。ドイツ国民の独特な感性だなと思ったのが、一つの敷地内にいろんな階級の人が住むように集合住宅を作ってること。建物一つで一つの村?集落?を作りたかった模様。それによって無産階級の住宅のスラム化を防ぎたかったらしい。2017/11/09
ふら〜
0
19世紀以降の、工業化が進展してきたドイツの住宅問題に焦点をあてて解説。着眼点がやはり面白い。世界史リブレットは良いシリーズだよなあホント。2016/07/16
星規夫
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19世紀半ばから現代にかけてのドイツプロレタリアートの住宅事情について論じた本。住宅環境って思っていた以上に社会に対して巨大な影響力を持っているんだなあ、と感心するばかり。都市計画の勉強でもしてみるか!2011/10/17
べ
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「一九〇〇年にフリードリヒ・ナウマンがこう描いたように、工業化が急速に進展する世紀転換期、ドイツでは、多くの人が新たなチャンスを求めて農村から都市や工業地帯に、東部から西部へ移動し、人びとが群れをなして右往左往する大都市が誕生した」(42-44)43ドイツ諸都市における人口移動率(1906-12)一九〇〇年ころのベルリン2025/03/03
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