目次
東南アジアの中国人
潮州人漁村S村
東南アジアにおける中国人社会の形成
大量移住の時代
現代化の時代
国境をこえる中国人のネットワーク
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねこっく
3
華人コミュニティの中でも、東南アジアにフォーカスして描かれている本だ。東南アジアは、古くから中国との貿易が盛んな土地もでもあり、中国国内の政治情勢が不安定化してくると、陸続きの東南アジアへ移住していく、という選択肢は貿易史的にも地理的にも現実的であったと言えよう。この本では特に東南アジア華人のアイデンティティについて事細かに描かれている。現在の中国の発展を見る限り、本筋へと帰国しようとすれば可能な環境下にありながら、あえて帰国しない選択を取る者。しかし、現地への同化はせず、あくまで華人として生きるその姿。2019/10/07
もっふる
0
著者の現地での経験に基づいて書かれている部分が多いので中国移民がすべて当てはまるわけではないが、彼らがどのように結束しているのか、近現代史の中でどんな立ち位置だったかがわかった。これまで東南アジアの中国人というとシンガポールやマレーシアでの経済的な強さばかりがイメージされたがタイやフィリピンなどで暮らす人々はまた違っていることや、シンガポールのような国がどうしてできあがったのかを知ることができた。一緒のタイミングで読んだフィリピン革命や日本人移民の話とのリンクは期待したほどではなかった。2013/03/07
sovereigncountr
0
東南アジアの華人・華僑社会について、人類学や社会学の視座も織り交ぜながら紹介している。書籍全体に先の大戦の苦い記憶が通底している。2025/04/04
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- 和書
- 学問芸術論 岩波文庫