目次
ヨーロッパ中世のなかの農村と農民
1 中世農村を取り巻く自然
2 フランク時代の農村
3 中世農村の成立
4 黄昏の中世農村
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aisu
14
中世ヨーロッパだって「暗黒」でもないということ。農村も少しずつ変遷しているのですね。開墾から農業法や、支配者と被支配者、外部とのかかわりとか。。。面白いのですが、淡々としているような・・・山川出版ですもんね。2015/12/22
もみち
10
【大学】p.30 貨幣経済についてのところで、銀貨が1枚だけ出土した遺跡の話で、妄想が膨らんだ。旅人が支払いで出したけど、結局使われることがないまま〜とか。農村の耕作地についてだが、農民一人ひとりの土地として区切られていたわけではなかった。柵すらない。だだっ広い畑を、馬にすきを引かせて耕していた。というのも、馬(とその一式耕作用具)は方向転換しづらかったから。そういう広い畑に対して、農民の家が固まって建てられていたというのは、初歩的な新発見でした( ̄▽ ̄;)2017/12/28
†漆黒ノ堕天使むきめい†
8
農村の仕組みについてをまとめてくれている本。 なかなか農民に関する用語や状況については世界史では習うことが少ない。 そのためこのような流れで、変わったんだなあと分かる。 また自分の農地を3年で全て使い切るような育て方をしたり、多くの種類の麦を育てる時代があったことは知らなかったので、特に印象に残っている。農業史と言うのも見ていくと面白いのではないかと、気づかせてくれるような良い本であったと感じている。2015/08/08
サアベドラ
8
中世初期から後期までのヨーロッパ農村の展開を、北フランスでの事例を中心に概説。気候変動から社会構造の変化、農民の生活誌と、限られた紙幅でそれぞれのトピックが丁寧にまとめられている。著者はナンシー大学で博士号を取得した人。現在は早稲田大学で教鞭をとっておられます。ちなみに、ホイジンガの『中世の秋』の翻訳で有名な西洋史家の堀越孝一氏とは別人です。2012/12/25
さぶろうの領土
5
「そもそも人口の約9割は農民なのだ」中世ヨーロッパについて語られる時、あるいは描かれる時というのは大抵、皇帝、国王、貴族、聖職者、商人といった上澄みの人々についてばかりが取り上げられる。彼らが歴史を動かしてきたわけだし当然と言えば当然だが、私はそういった歴史の動きの中で、陰に隠れた一般人の生活に思いをはせるのが好きなのだ。これを一冊読み終わる頃にはもうちょっとコレについて知りたかったとか、ここもうちょっと詳しく書いて欲しかったとか思うが、そういう知りたいことを明確にするためのとても良いシリーズだと思う。2022/11/29