内容説明
ソ連および「東欧社会主義」諸国家の崩壊、それに続く混乱と民族紛争は、東欧に世界の目を向けさせることになった。東欧はスラヴ人を中心とする地域ではあるが、ルーマニア人、ハンガリー人、ドイツ人などさまざまな民族が居住し、宗教的にも複雑であり、しかも、民族が国家によって分断された地域でもある。このような様相を呈することになった東欧の歴史を振り返り、現在の東欧の諸問題を考える手がかりを探っていきたい。
目次
1 民族の移動・定着と国家の形成
2 国家の分裂と再編
3 民族の自覚と新興勢力の台頭
4 各国の独自性の形成と連携・抗争
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
組織液
9
ギリシア・ローマ時代から16世紀あたりのオスマン帝国のバルカン侵攻までのロシアやリトアニアなども含む東欧全体の歴史を扱ってますけど、いくらなんでも詰め込みすぎのように感じましたね… リブレットで書けるものでは() そのせいで話が飛び飛びだし個人的には中公文庫の『ビザンツとスラヴ』を読んだ方が分かりやすいし面白いと思いました() まぁ復習みたいにはなりましたかね… 最近触れてなかったんで2021/07/30
じょあん
4
あまりにも事実の羅列すぎませんか? という内容。全体像が把握しにくく、各勢力の繋がりも把握しにくい。東欧史入門のために書かれたと思われるだけに残念。2024/01/31
†漆黒ノ堕天使むきめい†
4
東欧はビザンツ帝国やオスマン帝国の2つの国によって、併合と分裂を繰り返してきている。その複雑さがあるために少し読みにくいと言うレビューがあるのだろう。リブレットであるので深い所に入り込まない分飛び飛びになってしまうのは仕方ないような気がする。 そのためこれ一冊で東欧を知るのではなく、個々の国についてを学んだ上で読むことで、大雑把に流れの一部を掴むのに役立つ本だと感じる。2015/08/08
kanaoka 57
2
目まぐるしく変化する勢力、西欧とは異なるプレーヤー(スラブ民族を土台として、ローマカトリック、ギリシャ正教、そして強大な遊牧騎馬勢力を巻き込む)による、よりダイナミックな戦乱、地政学、これぞヨーロッパの歴史というべきか!?2022/06/26
金監禾重
1
日本のように先進地から影響を受けながら、時に大勢力を築いて先進地にも攻め込む興味深い地域。日本との違いは周囲と陸続きなことで、四方から侵略も受け、移民も日本と比べ物にならないくらい流入し(支配され)、「民族」「領域」形成がかなり難しかったことがわかる。聞きなれない地名を調べながら読むのはなかなか楽しかった。扱う内容に対しページ数が少なすぎるのはほかの方の指摘通りで、著者の踏み込みも少なく年表を読んでいるようなもの。これは手軽そうな本を選んだ自分を反省。おとなしく大冊を読み直そう。2018/07/29
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