目次
ややこしい東南アジア史、おもしろい東南アジア史
東南アジア世界の地理と歴史
「インド化された国々」
農業国家と交易国家
劇場国家とマンダラ
新しいヴェトナム史とチャンパー史
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kenitirokikuti
8
初版1996年刊行、第2版は2003年。2022年の『岩波講座 世界歴史』東南アジア巻に、1990年代までの東南アジア史の学説史まとめは本書を参照せよ、とあった。やはり、この山川の日本史/世界史リブレットはツボを押さえた良書が多くて助かるです(初心者向けではないよなぁ)▲リニューアルされた東南アジア史をざっと眺めたおかげで、東南アジアの大陸部&島嶼部ってのは、東アジアの朝鮮半島&日本列島と同じだなぁってことを実感できた。また、かつて遊牧民がユーラシア大陸中央を左右したが、近代には「白い遊牧民」が諸海域を、2023/08/13
†漆黒ノ堕天使むきめい†
3
東南アジアはイスラームが入ってくる前後はとても多くの国や王朝ができていたことは知っていたので、聞いたことのある用語があってまだ読みやすかった。 しかし西洋史同様の視点であまりみられていないのがアジア史だというのは確かにその通りだと納得できた。2015/08/01
in medio tutissimus ibis.
2
東南アジアは近代に発明された区分であり、そのすべてを覆う政治あるいは宗教勢力をかつて持たず、それ故今日(この本は三十年前のものだが)も一意的な把握が困難な地域である。そもそもベトナムなど少数の例外を除けば(ここでも統一性はない)、権力構造も印中などを参考にしているにせよさほど精緻ではなくカリスマ支配の面が強く、従って歴史に遺されるものも少ない。意地悪な言い方をすれば、東南アジアはよくわからないという事を、いろんな賢い人が労力をかけて何度も証明したという事がわかった。2025/08/10
hr
1
図書館本。少し古めかしい。2025/07/21
Omata Junichi
1
初学者向け東南アジア史の概説書。ただし、いわゆる通史的な叙述は最初の方だけで、大半は著者があえてと述べているように東南アジア史研究の研究史を通史的に論述したもの。本書を読もうと思った人はもともと西洋史とか日本史とかに関心がある人で、そして本書を読んで「(自分も含めて)自分のもつ東南アジア史認識がいかに古いか」を思い知る。さらに読み進めるうちに現在の東南アジア史研究の射程の広さと深さを知り、そして「(自分も含めて)自分のもつ西洋史とか日本史とかの認識がいかに古いか」を思い知るという、とても恐ろしい本です。2020/07/26




