目次
市民・在留外人・奴隷
1 両替商から銀行家へ
2 パシオーンの銀行
3 アポロドーロスとフォルミオーン
4 アテナイ市民アポロドーロス
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Schuhschnabel
3
古典古代の疫病についての講義を受けるにあたり、当時の社会について知っておこうと思い読む。高校の世界史で習った古代ギリシャなんて戦争の名前くらいしか覚えていなかったので、身分制度や訴訟制度などの認識を改めることができた。アテナイが直接民主制を採用していたことは知っていたが、民会に参加するだけでいくらかの手当が出ることは初めて知った。アテナイ市民と認められた当時のエリートですら政治参加を一方的な義務とは考えていなかったのだから、現代のように選挙に行くことは国民の義務です(?)と訴えても投票率は伸びないだろう。2021/04/18
きりまん次ゃ郎
3
古代ギリシア・アテネの社会を、奴隷であり後に銀行家として大成してアテネ市民へとなったパシオーンと彼の息子アポドドーロスを中心に残された史料から描き出す。古代ギリシアでの銀行業や通商といった営みや、富裕市民に課せられた将軍職や三段櫂船奉仕等の負担の重さ。富を築き、そして失う市民や解放奴隷に、裁判で相争う人々の姿等が生き生きと書かれている。古代ギリシア世界での銀行・両替業の繁栄・興隆っぷりには驚かされた。2017/08/01
たね
1
三段櫂船の自前での調達と派兵のハードルの高さを改めて感じた。他ポリスとの戦乱が多かった時代背景もありながら、国家予算という考え方が薄かったからマケドニアに負けてしまったのだなと思った。観劇や民会参加に手当が出るのは知らなかった。観劇手当が出るなら下層市民が遊民化するのではないかと疑問に思った。2022/04/23
伊藤直起
1
奴隷身分出身のパシオーンとその息子アポロドーロスの弁論記録上の生涯を描く。正直この2人の生涯については興味がなかったので、註の解説を中心に読んだ。2021/12/03
†漆黒ノ堕天使むきめい†
1
パシオーンって聴いたことあったが、改めて学ぶとスゴイ人だったんだな。 古代ローマでは裁判は相手を言い負けせればいいなら、口が立つかで運命決まりそう。2015/07/28