出版社内容情報
約400年続く長期の支配を実現し、周辺国も取り込んで壮大な天下秩序を形成した漢。その巧みな支配体制はどのように構築され、展開していったのか。大きな役割を担った印綬制度に注目し、その変遷をみることで、漢の天下秩序の変化と広がりを明らかにする。
これまで論文や研究書でしか紹介されていない最新の内容を取り上げ、近年の世界史教科書記述の背景にある、古代東アジア史の見方を紹介。
金印ファンや三国志ファンにはもちろん、世界史知識のアップデートにもおすすめの一冊。
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【目次】
序章 印綬とは何か
第一章 印綬の機能
第二章 印綬制度の構成
第三章 印綬と前漢末~後漢の統治機構
第四章 諸侯王印の変化と諸侯王の地位の変遷
第五章 印綬と漢王朝の世界観
内容説明
漢王朝の視点から見た「漢委奴国王」金印とは?小さな印章とカラフルな綬によって、多様な世界を約400年間ひとつの「天下」にまとめ続けた漢王朝の巧みな統治機構を明らかにする!
目次
序章 印綬とは何か
第1章 印綬の機能
第2章 印綬制度の構成
第3章 印綬と前漢末~後漢の統治機構
第4章 諸侯王印の変化と諸侯王の地位の変遷
第5章 印綬と漢王朝の世界観
著者等紹介
阿部幸信[アベユキノブ]
1972年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。専攻、中国古代史。現在、中央大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さとうしん
11
印綬制度から見る漢代の官制と行政機構、そして国際秩序。正直なところ印綬でここまで話が広がるとき思わず、面白く読んだ。漢代において周制は単に儒学的観点からいたずらに理想化されていたのではなく、統治の安定のための権威づけとして「漢の伝統」とともにうまく活用されていたという話や、公印が周代の青銅器に相当する役割を担っていたという話が個人的にポイントだった。2024/06/03
Teo
0
これは面白かった。単純に「印綬」と表現するのがいつもの事だったが、綬にあれ程の意味があるとは全く知らなかった。そしてその意味が丹念に構成して説明され、それによって漢王朝の国家秩序天下秩序がどう言う物だったのかに繋がって説明されるのもとても良い。今年のオススメ本の一つとなった。2024/07/06