分裂と統合で読む日本中世史

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分裂と統合で読む日本中世史

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  • サイズ 46判/ページ数 239p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784634151796
  • NDC分類 210.4
  • Cコード C0021

内容説明

日本中世史研究にはいま、「分裂のなかの統合」という熱い問いが存在する。80年代~90年代に人口に膾炙し、「列島の多様性」や「日本」について考え抜いた「知の巨人たち」が拓いたステージの「次」、いわば、新しい「ひとつの日本」研究である。本書ではこのふたつの視点をめぐる熱い議論を紹介しながら、「多様のなかで統一はいかに果たされていたか」を探っていく。この問題を見極めることは、世界でも日本でも分裂と統合が課題となっている現在を考えるための鍵を、見つけることにつながるだろう。

目次

日本史上もっとも複雑で曖昧だった中世と現在
1部 「場」「地域」からみる“いくつもの日本”(東と西―もっともポピュラーで根深い問題;南と北―よりいっそう豊穣で、ときにカオスな場所;内と外―時代によって揺れ動く「境界」の独自性)
2部 「人」「階層」からみる“いくつもの日本”(朝廷と幕府―二大勢力の関係性をめぐる激しい学説論争;寺社と宗教―現代とかけ離れた「もうひとつの勢力」の実態;生業と身分―非農業的世界から見えてくる豊かな日本史)
3部 多様な列島社会を「統合」するものは何か?(分裂と統合―両者の共存は可能なのか?;中央と地方―首都の求心力はどこにあるのか;天皇と将軍―戦国期にも存在しえた「創価」を探る)
歴史から学べることは何か

著者等紹介

谷口雄太[タニグチユウタ]
1984年、兵庫県生まれ。東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得満期退学。現在、東京大学大学院人文社会系研究科(文学部)研究員。立教大学、川村学園女子大学、白百合女子大学非常勤講師。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

小鈴

26
こういう本が読んでみたかったという本が具現化されたような本で論点整理ができました。最後以外は対立する既存の学説の解説なので教科書的な文章ですが、ためになりました。岩内章太郎の『<普遍性>をつくる哲学』を読んだせいか、80年代生まれの哲学者も中世史家も相対化(分裂)より普遍性(統合)というのが今のトレンドなのだなって感じました。新しい流れですね。今後が楽しみです。(山川出版社だからなのかキーワードが太字なので読書には違和感。やめたほうがいい。)2021/10/09

翠埜もぐら

18
昨今の日本中世史は「周辺」とか「地方の独自性」を重視した研究が主流なのかと思っていたのですが、現在はそれらを踏まえた上で「で、ありながら統合されていた国」に対する方向へ変わって行っているのだそうです。著者の研究も一部交えながら昭和初期からほぼ現在の研究史が解かり易く解説され、参考文献が大変豊富。この本を起点にして広げていけそうで楽しみです。それにしても網野善彦氏って批判はずいぶんあるようですが、氏の発想と提言は時代を作ったのだと改めて思いました。読み直すかぁ。今なら多少理解できるかもしれない。2024/05/27

Book Lover Mr.Garakuta

18
【速読】【図書館】:日本中世の地歴の話だ。統合分裂の解説集。2022/03/14

軍縮地球市民shinshin

16
2000年代に網野善彦の影響で日本の統一性を疑い、「多様な」とか「いくつもの」などの日本像というのが数多く提起された。しかし細分化しようと思えばいくらでも細かく分けて他地域との差異を際立たせることはできるので、近年は再び「国家史」の側面を打ち出した研究が多くなっているという。本書は日本中世史研究の最新の論点が手際よくまとまっているので、史学科の1年生が読むといいかもしれない。2022/12/28

白隠禅師ファン

14
東と西、境界論、東国国家論と権門体制論、非農業民論、日本列島の多様性論など、概略と研究史をわかりやすくまとめています。今後は「いくつもの日本」と「ひとつの日本」というふたつの視点で、日本中世史の再構築を図る必要があると実感した2025/01/05

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