出版社内容情報
日本中世史の大家が書き下ろす日本通史シリーズの「近世社会篇」。<br>
著者がめざすものはこれまでの各分野をばらばらに並列的に叙述する通史ではなく、政治・社会・経済・文化などの諸分野の横の連関が見えてくる「全体史」である。<br>
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長く続いた戦国時代が終わり、家康の大御所政治の後、島原の乱や寛永の大飢饉など不安定な出来事が続く社会情勢の中で、徳川二代将軍・秀忠から八代将軍・吉宗までの将軍職が、幕藩体制の整備確立のためにどのような課題に挑戦していったかを辿る。その時代を生きた民衆の聲を『醒酔笑』などから読みとり、世相への警告を儒学者・荻生徂徠の『政談』から生き生きと甦らせる。
内容説明
島原の乱、寛永の大飢饉、富士山噴火。内乱や飢饉が続く不安定な社会情勢のなか、人びとはどう動いたか。二代将軍・秀忠から吉宗までの政権はどう対処したか。日本近世史の細分化された領域を「思潮」の流れによって再考し、一つの全体史として捉え直す。『醒睡笑』『慶長見聞集』などから民衆の生きる聲を聞きとり、『折りたく柴の記』『政談』をはじめとする儒学者の著作から読みとる政治の流れ。
目次
1 士民の所帯と秀忠政権
2 家光政権の天下仕置
3 寛文・元禄期の民間社会
4 公儀政治と大衆社会
5 幕藩制と吉宗政権
6 徳川日本の国家制度
著者等紹介
五味文彦[ゴミフミヒコ]
1946年生まれ。東京大学文学部教授を経て、東京大学名誉教授。放送大学名誉教授。『中世のことばと絵』(中公新書)でサントリー学芸賞を、『書物の中世史』(みすず書房)で角川源義賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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