内容説明
大地の原形によりかかり、住処や農地をかたちづくり原風景を求める旅にでた。むき出しの火山、氾濫する河川、山ふところに抱かれた神社、延々と連なる棚田など、自然は驚くべき早さで様相を変えていく。日本の原風景を求めて、列島各地を訪ね歩いた、初の画文集。
目次
大自然の彫刻―熊本県・阿蘇・根子岳
昭和の面影―千葉県・佐原
笛吹川―山梨県・笛吹川
室津漁港―兵庫県・室津漁港
富士のふところ―静岡県・三島
懐かしい渡し場―島根県・矢田の渡し
遠い灯の丘―岩手県・遠野のデンデラ野
一〇〇年前―栃木県・足利の旧筑波村
田園に咲いた花―大分県・由布院
住めば都―徳島県・祖谷〔ほか〕
著者等紹介
安野光雅[アンノミツマサ]
1926年、島根県津和野町生まれ。山口師範学校研究科修了。1974年度芸術選奨文部大臣奨励賞、その後ケイト・グリナウェイ特別賞(イギリス)、もっとも美しい50冊の本賞(アメリカ)、BIB金のリンゴ賞(チェコスロバキア)、国際アンデルセン賞などを受賞。1988年に紫綬褒章、2008年に菊池寛賞を受ける。故郷津和野には「安野光雅美術館」がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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マエダ
52
原風景とはなんであろうと読了。安野氏を攻めていこうとおもう。2018/07/02
けんとまん1007
13
どの絵を見てもほっとするのは何故だろう?それこそが、原風景に通じるからだろうか。人には、それぞれ原風景があるのだと思う。幸いに、今の自分は、生まれ育った場所で暮らしを営んでいる。もちろん、時とともに少しずつではあるが、見えるものが変化してきていはいる。しかし、立山連峰の山々に抱かれ、田んぼがある風景は変わらない。だからこそ、この本の絵に引き込まれるのだろう。そんな中でも、やはり地元富山の八尾と、お隣金沢の近江町市場は、身近に感じるのは致し方ないだろうな。2014/02/23
KAZOO
10
確かにこの作者の絵はどこか懐かしくさせてくれます。やはり年齢が近いせいもあるのでしょう。また自分のいたあるいは旅した場所がえがかれています。それとそれに関するエッセイがついていて読んでいてもゆったりとした気分に浸れます。ぬるい温泉につかっている感じです。ほっこりします。2014/05/26
スローリーダー
5
日本中を巡って、その土地の友人と合い、風景をスケッチし、土地の歴史に触れる。そんな生き方に憧れる。誰でもが出来ることではない。巣籠もりのコロナ下で著者と暫しミニトリップを楽しんだ。2021/08/10
baba
4
いつまでも心に残る、懐かしい風景が安野さんの文と絵で綴られる画文集。心が温かくなる本でした。2014/03/07