内容説明
神話から昔ばなしへときをこえて繰り返す物語に共通の世界観とは―絵本で親しんだ昔ばなしのもととなった各地の伝承から豊穣をもたらす自然、避けられない死へのおそれを浮かび上がらせる。
目次
桃太郎―桃太郎はなぜ犬と猿と雉を連れていくのか
かちかち山―トリックスター、稲羽の素兎の末裔たち
鬼の子小綱―笑いと性の力が春を呼ぶ
三枚の護符―便所はあの世の出入り口
蛇婿入り―苧環はなぜ蛇を退治するのか
鉢かづき姫―顔を覆い隠す花嫁
一寸法師―脱皮する少年たち
ホトトギスと兄弟―夜鳴く鳥の悲しい前世
蛇女房―無欲と貪欲の報酬
産神問答―魂を掃き出す箒の力
ミソサザイは鳥の王―仁徳はいかにして聖帝になったか
花咲爺さん―お爺さんはなぜ犬の灰をまくのか
浦島太郎―分d南sあれた乙姫の玉手箱
著者等紹介
古川のり子[フルカワノリコ]
東洋英和女学院大学国際社会学部教授。学習院大学大学院人文科学研究科博士後期課程修了。日本の神話、昔ばなしの比較構造論を研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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磁石
22
有名なこれらを改めて読んでみても、一方的で理不尽で無理矢理な勧善懲悪で決めつけられている、気がしてならない。なんでこうなるの?を事実なんだからしょうがないと封殺される、勝手に彼ら怪異の動機を考えてしまう……。もしかしたら前日談が抜かれているのかも。カチカチ山の狸はなぜあれほどの仕打ちをするのか、ただトリックスターだからではなく、山をジジババたちに切り崩され田んぼに変えられ住処を奪われたからかもしれない。暗黙の了解としてある無垢だが知恵あるジジババ/和尚様というのが、違和感の正体かも2017/09/04
スノーシェルター
17
昔ばなしはとても奥深い。ひとつの話をとっても、いろんな解釈や意味があり、ただの子供向けのおとぎ話ではないと思った。非常に面白い。2014/12/17
しぃ
7
今に伝わる昔話、子どもの頃は何気なく聞いていたけれど、その小道具ひとつ、登場人物(動物)ひとつ取っても意味が含まれていることを知りました。面白い。昔の大人たちはこれを語りながら、子どもにも自分たちにも教訓としていたのだろうと思います。知らない昔話も出てきたので、ちょっと読んでみたくなりました。2016/04/11
みか
3
活字を読みたくて、図書バスで借りてきた本の中から1冊。私はこういうお話好きだ。ずっと前から気になっている日本の神話にも挑戦してみたくなる。2014/06/20
もなか
3
13種類の昔話について。幼少期に読み聞きした昔話が、古事記や日本書紀などの神話に繋がっていると分かり驚きました。中でも「かちかち山」「三枚の護符」が特に面白かったです。昔話は奥が深い。2014/03/12