内容説明
脳はいかにして複雑な感覚を処理し、精巧に身体を操るのか?計算理論/表現とアルゴリズム/実装の観点から、脳の理解に挑む“計算論的神経科学”(computational neuroscience)。運動制御・感覚処理の研究を中心に、その数学的基礎から分野の最前線までを概観。
目次
第0章 計算論的神経科学―なぜ脳科学に計算論が必要なのか
第1章 身体運動の基礎―キネマティクス・ダイナミクス・座標変換、それらの脳内表現
第2章 決定論的最適制御―運動の背後に潜む最適化の計算原理
第3章 状態空間モデル―運動過程と観測過程のモデル化
第4章 最適推定―感覚入力からの外界再構成
第5章 確率論的最適制御―ノイズ下でも正確な運動を可能にする制御
第6章 強化学習―報酬に基づく運動学習
第7章 システム同定―運動適応過程のリバースエンジニアリング
第8章 次元縮約と成分分解―脳のなかの真の自由度
第9章 デコーディングとブレイン・コンピュータ・インターフェイス―脳の情報表現を読み取る
第10章 小脳の計算論モデル
著者等紹介
田中宏和[タナカヒロカズ]
2000年京都大学大学院理学研究科博士(理学)取得。理化学研究所脳科学総合研究センター研究員。2001年コロンビア大学脳行動研究センターポストドクトラルフェロー。2005年ソーク研究所計算神経生物学研究室リサーチスペシャリスト。2007年情報通信研究機構専攻研究員。2009年日立製作所基礎研究所主任研究員。2012年北陸先端科学技術大学院大学准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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