内容説明
誤り訂正技術の理論体系である符号理論。その符号理論に、代数的な側面と確率的側面から迫る。情報科学、数学、物理といったさまざまな分野につながる符号理論のおもしろさを本書で体感してほしい。
目次
誤り訂正技術のしくみ
符号化と復号
2元線形符号の基礎
いくつかの2元線形符号と2元線形符号に関する限界式
有限体
Fq上で定義される線形符号
リード・ソロモン符号
確率推論と復号
ビタビアルゴリズムによる最尤復号
ファクターグラフとsum‐productアルゴリズム
シンボルMAP復号法と前向き・後ろ向きアルゴリズム
LDPC符号
符号の性能評価
著者等紹介
和田山正[ワダヤマタダシ]
1991年京都工芸繊維大学電子工学科卒業。1993年京都工芸繊維大学大学院博士前期課程修了。1995年京都工芸繊維大学大学院博士後期課程中退。1995年岡山県立大学情報工学部助手。1997年博士(工学)(京都工芸繊維大学)。2004年名古屋工業大学大学院工学研究科助教授。2007年名古屋工業大学大学院工学研究科准教授。2010年名古屋工業大学大学院工学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hiroyuki
4
2回目読了。国内の誤り訂正分野で著名な和田山先生の本。様々な符号化技術を日本語で学習出来る本はとても貴重。解説も非常に丁寧ではじめの一冊におすすめ。後半のMAP複号以降は実用、実装に焦点を当てて解説されており、この本があれば一通りアルゴリズムの流れを理解して自力でプログラムを組めるようになるだろう。参考文献もひとつひとつ著者のコメントが付与されており親切。個人的にはこの本のあとにMacKay読むとよさそう。2020/07/26
酒井 敦
1
LDPC符号の復号化について丁寧に説明している日本語唯一に近い本である。ただし、sum-productアルゴリズムのみしか記述していない。このため、計算アルゴリズムで主力のmin-sumアルゴリズムに関しては、さらに勉強する必要がある。できれば、そこまで書いた本が出てほしい。2021/05/05
樹
0
誤り訂正、特にLDPCを勉強する読者にとっては日本語で書かれた唯一の本。数式も難解で、決して分かり易いものではないが順を追って丁寧に読み進んでいけば、理解できる。事後確率を最大化する複号方法は演算量が多く困難なため、周辺事後確率をファクターグラフを用いて最大化することでLDPC複号を行う。2016/09/11
Gotz
0
発表のわかりやすさではピカイチの著者の本.発表と同様,基礎からとても丁寧にわかりやすく書いてある良書.LDPC符号に関してここまで丁寧かつ詳細にLDPC符号について触れている物はほかにない2010/08/06