出版社内容情報
近世において次第に変質してゆく修験道も、庶民生活の中において民間信仰として生き続けてきた。本巻では、山岳宗教と民間信仰との関り合いを、山の神信仰・ミロク信仰・講などの展開の中にさぐり出す。巻末には本叢書を総覧する日本山岳宗教文献総目録を合せて収録。
内容説明
いったいに、山岳信仰が国民全体の信仰生活のなかでどういう境位を占めているのか、またどのような存在意義をもっているのか。その根拠を明らかにするためには、何をおいても地域社会の信仰基盤そのものに究明のほこ先を直接向けねばなるまい。つまり民間信仰の全体像を的確にえぐりだしながら、そのなかで、山岳信仰や山の神信仰が果たす役割を問いつめる作業が必要となろう。具体的にいえば、宗教の立場から山岳信仰を追いかけるのではなくて、民間信仰に立脚点をおいて問いかける方向である。本編では、この点を特別に重視して研鑚を重ねられた諸論考をあつめ、今後の展望に資するようにしたものである。
目次
総説 民間信仰と山岳宗教
第1篇 山岳信仰の展開と山の神
第2篇 修験道と民間信仰
第3篇 山岳信仰と講集団
第4篇 民間信仰と地方霊山
著者等紹介
桜井徳太郎[サクライトクタロウ]
1917年新潟県に生まる。東京文理科大学史学科卒。東京教育大学教授などを経て、現在駒沢大学教授・日本民俗学会理事。『日本民間信仰論・増訂版』ほか著書・論文多数
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