内容説明
うつほ物語には、証本として信頼できる善本は発見されていない。そのために、従来刊行されたテキストにも、意味を通じさせることを主眼として、大幅に本文に手を加え、厳密な研究資料としては不適当なものがあり、また底本に忠実を期したものは、専門研究者以外には近づきがたい感じの否めない傾きが強い。本書は、これにかんがみて、底本の尊重を原則としながらも、通読が可能であるように、最少限度の校訂を加え、かつ頭注を付して、一般読者の読解にそなえた。一巻には、二十巻のうち、最初の五巻を収めた。
目次
1 としかげ
2 藤はらの君
3 たゞこそ
4 かすがまうで―たゞこそのならび
5 さがのゐん
著者等紹介
野口元大[ノグチモトヒロ]
昭和4年長野県生まれ。昭和28年東京大学文学部国文学科卒業。昭和33年東京大学大学院国文学専攻修了。現在上智大学教授。著書に『古代物語の構造』、『うつほ物語の研究』
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。