内容説明
汚れっちまった大人の心でもう一度読む『山月記』!「臆病な自尊心」とは何か?「尊大な羞恥心」とは何か?中島作品をとおして自分の内面を探る、進化した『山月記』体験。
目次
第1章 中島作品の源泉―中国古典を読む(山月記 人虎伝(『唐人説薈』所収)
名人伝 黄帝・湯問(『列子』所収)
弟子 子路など(『孔子家語』など所収)
李陵 李広蘇建伝など(『漢書』など所収))
第2章 中島作品の発展―野村萬斎「敦―山月記・名人伝」
第3章 中島作品の展開―マンガ『山月記』作者西村悠里氏にきく
第4章 生誕一〇〇年目の中島敦
参考 代表作のあらすじ
著者等紹介
増子和男[マスコカズオ]
1953年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。専門分野は、唐代を中心とする古小説、唐詩の研究。茨城大学教育学部教授
林和利[ハヤシカズトシ]
1952年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。専門分野は、狂言台本、能楽史の研究。名古屋女子大学文学部・大学院教授
勝又浩[カツマタヒロシ]
1938年生まれ。法政大学大学院人文科学研究科博士課程中退。専門分野は、日本近代文学、特に中島敦の研究。文芸評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Camellia
8
卒論のために。使えそうな部分もあったけど…なんというか、ちょっとものたりない感じ。山月記のとっかっかりにはいいかもしれない。帯の【汚れっちまった大人の心でもう一度読む『山月記』!「臆病な自尊心」とは何か?「尊大な羞恥心」とは何か?中島作品を通して自分の内面を探る、進化した『山月記』体験!】という文句に期待しすぎたか…。2018/11/19
らむだ
4
『山月記』『名人伝』『弟子』『李陵』 それぞれの原作にあたる中国古典を観賞するという試みはとても面白かったが、思ったより踏み込みが足りずに不完全燃焼。 中島敦入門には良さそう。2019/09/17
neimu
1
残念ながら、期待していたほどではなかった。学術的? いやいや、なんだか読ませる迫力やマニアチックなところが欠けていて、淡々と語りすぎ。それは大人読みなのかな? そんな風に感じてしまう、現場の人間。2009/08/07
すがし
1
中島のいわゆる「古譚」を、その原典と読み比べるという面白い着想。中島が古典をいかに近代的なテーマとして翻案しているかがよく分かる。2009/08/09
華證
0
高校時代以来の「山月記」深く読めるようになった気がする。「名人伝」も好き。2023/10/13