内容説明
癌研有明病院の星野先生は、漢方治療を導入し、末期がんの進行を押さえ込んで、日常生活が出来るまでになる治療で成果を上げている。がんをつぶすのではなく、がんにまけない体に戻れば普通の生活が出来るという、最先端治療現場からの最新報告です。
目次
第1章 漢方の「次の一手」でがん患者を援護射撃
第2章 がんの専門病院で、なぜ「漢方診療」を行うのか?
第3章 「漢方医学」とは何か?
―知っておきたい「漢方」の基礎知識
第4章 がん治療における「補剤」の役割
第5章 漢方薬のがん治療への応用と緩和医療
第6章 癌研「KSC」で個別症状が改善されたがん患者さんの実例
第7章 漢方薬を用いたがん患者の栄養サポート
第8章 「漢方サポート外来」と「緩和ケア」の連携
著者等紹介
星野惠津夫[ホシノエツオ]
1979年東京大学医学部卒業。1984年東京大学第1内科助手、1986年トロント大学消化器科リサーチフェロー。帝京大学内科助教授、同附属病院検診センター長、癌研究会附属病院内視鏡診療部副部長を歴任。2009年癌研有明病院消化器内科部長。日本内科学会指導医、日本消化器病学会指導医・評議員、日本消化器内視鏡学会指導医・評議員、米国消化器病学会(AGA)フェロー、東亜医学協会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とおる
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5年前に出版されたがん研有明病院星野先生の本。がん治療における漢方の可能性を強く感じた一冊。前回読んだ星野先生の最新本には載っていなかった、顕著な症例が記述。72歳男性のWFさん。胃の噴門部に3型進行胃がん。TS1投与後、胃の全摘術。大動脈周囲に多数リンパ節転移。絶対非治癒切除。肝障害などで体重極度に減少。幾つか漢方を処方し、補中益気湯、茯苓飲、牛車腎気丸を投与体重増加に。左鎖骨上のウィルヒョウリンパ節転移ありフロツリンを服用後転移巣は縮小。術後5年で喜寿迎える。カンプト、タキソールで転移巣も安定。2015/05/24