外国人力士はなぜ日本語がうまいのか―あなたに役立つ「ことば習得」のコツ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 215p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784625683183
  • NDC分類 810.7
  • Cコード C0076

内容説明

いざ、外国人力士にインタビューしてみると、著者の予想や仮説とは大きく異なる学習法があることが次々に分かり、まさに目から鱗が落ちる思いであった。そして驚くべきことに、彼らの学習法は、著者が研究課題の一つとしていた、バイリンガル(二言語併用)教育の中のイマージョンプログラムという教授法の理論に見事に合致していたのである。初めのうち、日本語教育関係者にでも、読んでいただければと書きはじめたが、効果的でおもしろい「外国語学習参考書」として、外国語で苦労している日本人を勇気づけられればと考えなおした。特に、外国語学習に興味がある、二、三十代の女性、さらには、外国語教育に関心のある方などに、ぜひ読んでいただきたい。

目次

第1章 モンゴル力士、大学の教壇に立つ―旭天鵬の日本語力
第2章 辞書などなくても―教室の外に上達の王道がある
第3章 「おかみさん」は最良の日本語教師―ことばを育む「母親」たち
第4章 外国人力士の「日本語応援団」―兄弟子、床山、教習所
第5章 下町人情と外国人力士―地域との交わりは最高のけいこ場
第6章 教室以外の学習チャンスを生かそう―最新の言語学習理論にかなった学び方
第7章 外国語学習に悩むあなたへ―目からウロコのヒント集
第8章 外国人力士と相撲界

著者等紹介

宮崎里司[ミヤザキサトシ]
早稲田大学助教授(日本語研究教育センター及び大学院日本語教育研究科)、早稲田大学卒業後、オーストラリアのモナシュ大学で応用言語学博士号取得。研究分野は日本語教育、第二言語習得、学習ストラテジー、接触場面の談話習得過程、バイリンガル教育とイマージョンプログラム、日本語学習者の脳の言語処理過程など。「外国人力士の日本語習得」は最新の学習理論を裏付けるものとして、持ち前の行動力で相撲部屋を中心に多くのインタビュー調査を行った。10年にわたるメルボルンでの生活は研究と教育のためのものだったが、まず著者自身は英語習得という大きな壁にぶつかった。また、日本語を学ぶ学生の習得度合いに個人差が大きいことに気がついた。その結果、外国語習得の最大の成功例は日本にいる外国人力士にあるのではないかという仮説に辿りついた。’97年より早稲田大学の教壇に立つようになり、相撲協会に申請した外国人力士への取材の許可も得られた。これをきっかけに、以来10人の外国人力士や4人のおかみさん(親方夫人)をはじめ、約30人への面会を敢行した。一人の語学の達人を生み出すために、数多くの優秀な日本語教師が支えていることを発見すると同時に、ちゃんこの味が染みるほど日本語に漬け浸す習得法が最新の語学学習理論と一致する、すばらしいヒントに満ちたものだという確信を抱いた。著者の趣味はメルボルン滞在時代に少々かじった社交ダンス。年数回、メルボルンの自宅に帰り家族と過ごすことを楽しみにしている。共編著に「日本語教育と日本語学習:学習ストラテジー論にむけて」
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

沢庵(たくあん)

4
外国人力士、流暢に日本語でインタビューの受け答えをする。言われないと「外国人」であることすらわからないぐらいの流暢さ。いったいどのようにして日本語を習得しているのか?「外国人プロ野球選手」と「外国人力士」の比較。選手として出来上がった状態で来日し、数年で帰国する野球選手。関取を目指して技術も言葉も文化も習得を目指す力士。日本以外に相撲を取れる国はないので、生涯日本で暮らすぐらいの覚悟がある。そら違いますね。朝青龍のことば「ハングリー精神」これに尽きるかと思います。人生掛けてるんだから覚えられる。覚えないと2010/08/06

エムコ

4
先日の大関昇進の把瑠都の口上、なんと達者なんでしょう! で、この本です。2001年発行なのでいささか古い内容ではありますが、要は「日本語を使えないと強くなれない」ということ。そして「素直じゃないと強くなれない」。タニマチといわれるご贔屓さんにかわいがってもらうために日本語でカラオケも歌うんです。みんなに愛される力士は強くなれる。これに尽きます。2010/04/01

れもん

3
外国人力士はなぜ日本語がうまいのか。答えはおそらく多くの人が想像するとおり。ただ、そのうまくなるまでの苦労は並大抵のものではない。言葉を学ぶことが彼らの目的ではなく、自分の為すべき事を為そうとしたら日本語も上達していったということなのだろう。本気で外国語を学ぼうと思う方々には、何かしらのヒントが得られる一冊だと思う。2012/06/12

Ayumi Shimojoh

2
図書館。豪栄道の児童向け自伝を読んで、モンゴル力士の自伝はないかなと探したんだけどこちらになり。早稲田大学の言語学者が外国人力士の日本語習得に着目して、力士や周囲の人たちにインタビューを繰り返した、面白い切り口の相撲本。旭天鵬、曙、たちの影の努力、支えてくれたおかみさん、近所の人たちの親心に打たれる。数々の問題を起こした朝青龍だって、貪欲さ、素直さでガムシャラに言葉も稽古もやってたころがあるんよね。当たり前かもだけど表に出ない面。2017/11/24

つんたお

2
外国人のお相撲さんはなぜあんなに日本語がうまいのか、という謎を解明してくれる本。外国人力士は日本語教師に教えて貰ったこともなければ、日本語の教科書を体系立てて使ったこともないのに・・。それで、あんなにうまく日本語を話すなら、日本語学校なんて要らないんじゃ・・・とも思えてくる。過剰なまでのイマージョンプログラムと自律学習が彼らの語学力上達の秘訣だとか。自分で自分の学習を管理して、自らの学習に働きかけるストラテジーを習得する工夫が大切。これは、自分自身の語学学習にも応用したい。2017/08/04

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/534231
  • ご注意事項

最近チェックした商品