出版社内容情報
中国古典小説の代表的作品「聊斎志異」は、清代初期の怪異譚。江戸時代に伝来し、国木田の訳、中島・芥川・太宰の翻案小説などは特に有名。楊逸らも影響を受けている。全29編を収録。本巻にて、中国古典小説選全12巻完結。
内容説明
『聊斎志異』は、怪異の書。しかし、際立つのは恋物語。相手は人間だけではない。「青娥」は仙女、「愛奴」は幽霊、「黄英」「香玉」は花の精、「竹青」は烏。人はなぜ恋をし、何を求めるのか。作者蒲松齢は、醜女になった絶世の美女「瑞雲」への愛を貫いた男の口を借りてこう答える。「人生の重んずる所は知己なり」と。「知己」とは、我の真の理解者、その人のために死ぬことのできる人物(『史記』刺客列伝)。人は「知己」を求めて恋をする。幽明の境界を越えて…。明末清初の暗黒時代に、真の「知己」を求め続けた蒲松齢の心の叫び。
目次
郭秀才
橘樹
青娥
聴鏡
鬼津
僧術
禄数
鬼妻
医術
夏雪〔ほか〕
著者等紹介
竹田晃[タケダアキラ]
1930年東京生まれ。1959年東京大学大学院中国語中国文学専門課程修了。東京大学名誉教授
黒田真美子[クロダマミコ]
大阪生まれ。1991年東京大学大学院博士課程単位取得修了。1993年ミュンヘン大学大学院Promotion Gang単位取得修了。現在、法政大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。