内容説明
『韓非子』は、富国強兵の唯一の道として「法術」を説いた、法家思想の集大成書である。「法」とは法律のことで明文化して人民に周知徹底させること。「術」とは君主が手の内を見抜かれないように臣下を統制することである。こうした「法術」の体系化こそが韓非子の思想の中核をなしている。
目次
主道第五
二柄第七
十過第十
孤憤第十一
説難第十二
和氏第十三
姦劫弑臣第十四
三守第十六
備内第十七
解老第二十〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ソルト佐藤
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人間はクソだ!孟子や荀子は人の本性は善だ悪だというが、都合がよいことをしているだけにしか過ぎない。だから教育なんて無駄!老子は民は何も知らない方が政治がうまくゆくという。自然にそんな事ができないなら、法で人工的に作ってしまえ!愚民政策だ。人なんてくそったれだ。けれど、彼はそんな人たちでも幸せのなる方法を考える。正しい事を行う人が報われない事を憤る。屈原のように「俺だけがきれいなままだ!」と叫ぶ事はない、嫌いな人間達の事を思うのだった。だからだろうか、彼の描くダメ人間達は生き生きと描写されている。2010/05/11
anchic
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「人主に二患有り。賢に任ぜば則ち臣は将に賢に乗じて以って其の君を劫かさんとせん。妄りに挙げば則ち事阻みて勝えざらん。」(p.26)世界史で中国史を学ぶ上で、諸子百家を学ぶが、それぞれの思想を深く学んでいなかったため、手始めに本書を読了。君主の処世術について記載されている部分もあり、現代社会にはそのまま応用できないが、そのエッセンスは大変参考になる。2024/08/03
ロバーツ
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白文は無いが読んでるうちに不思議に慣れてくる。2023/07/24
田中
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綺麗事が一切無いのが清々しく、実用的だなと思った。 【印象に残ったところの要約】 人は自分の利を求めるものなので、臣や夫人を君主は信頼しすぎてはいけない。 礼とは自分のためにするもの。心の内を、自分のために、他人に伝えることが礼である。 人に何かを説くには、相手の心にあわせることが大切。本当の意味で他人のためというのは存在せず、全部自分 のためである。 信頼して愛するでもなく、不信感に苛まれるでもなく、程よい温度感で他人と接している感じが良かった。自分の思考とシンクロした感じがして、少し安心した。 2023/04/09