出版社内容情報
戦後活躍した詩人・歌人・俳人の「人と生涯」「作風」を紹介、「代表作」を鑑賞する最新の講座。第一巻は、鮎川信夫等12名を収録。
内容説明
戦後以降の詩・短歌・俳句といった韻文(詩歌)を鳥瞰!作品の面白さを感じ取り、解釈・鑑賞のより深い理解のための、現代詩歌解説書の決定版!!教材研究や読書指導にも役立つ参考資料付き。
目次
鮎川信夫
北村太郎
田村隆一
黒田三郎
木原孝一
三好豊一郎
中桐雅夫
石原吉郎
吉本隆明
秋谷豊
安西均
新川和江
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
60
傷病兵として帰還した鮎川信夫の詩からは、生を賭けるに足る何かを激しく求める思いが伝わる。死者に代わって生きる覚悟を表明した「死んだ男」。もはや失われた、死と隣り合わせのエロスを想う鎮魂詩「亡姉詩篇」、そして《にんげんの悲しみによごれた夕陽をすてにゆこう》という「兵士の歌」。また、シベリア徒刑囚としての8年間を過ごした石原吉郎の、《正午の弓となる位置で/君は呼吸し/かつ挨拶せよ/君の位置からの それが/最もすぐれた姿勢である》という姿勢への拘りこそ、戦後を生き続ける我々が見失ってはいけないものなのだと思う。2018/08/09
3
現代詩を読むなら、というには濃すぎるし、より詳しくというと微妙なラインなので素直に勧められないがある程度の確認としてはいいかもしれない。そう言う意味では現代詩辞典的な使い方がいいだろう。というが、北村太郎のところで、俺は初めて知ったんだが、北村太郎の詩の「暗号」簡単に言うと、「縦読み」で愛のメッセージを送っていたこと初めて知った笑 ここの部分はとても面白くて、北村太郎はまあ本人も訳しているんだがルイスキャロル的な言葉遊びの部分てかなり影響が強いんだなあ、と例証を与えてくれる。2017/07/23
けいこう
3
収録されている詩人は、鮎川信夫、北村太郎、田村隆一、黒田三郎、木原孝一、三好豊一郎、中桐雅夫、石原吉郎、吉本隆明、秋谷豊、安西均、新川和江。それぞれ、各詩人について書かれた文章などを引用しつつ来歴が語られ、代表的な詩を五、六編、紹介する形式ですが、、詩人ごとに書いている人が異なっており、若干の違いがあります。戦後詩を網羅的に扱っている思潮社の現代詩文庫には巻によっては来歴がなかったりするので、便利っちゃ便利カモー。2016/12/26
S.J.
1
詩の表現と半抽象的な絵画の表現が、類似したものであることに最近になって気づいた。書き手の感情、感覚、イメージを完全に言語化することはできない。一般的に書かれた物の行間には、言語化できなかった膨大な量の情報が埋もれているものだ。詩人は様々な比喩やレトリックを駆使して、このような情報までも敢えてすくい取ろうとするが故に、詩の表現は難解になりがちなのかもしれない。自分が半抽象的な絵画の表現に類似性を感じるのもそのためだろう。2017/10/07
石橋 こわし
0
面白いけど、難しい… 分からん、手強い2016/12/23