海外の日本語シリーズ
台湾に渡った日本語の現在―リンガフランカとしての姿

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  • サイズ A5判/ページ数 162p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784625434464
  • NDC分類 810
  • Cコード C3381

出版社内容情報

日本の旧統治領で戦前・戦中に日本語を習得した人々が使う日本語は、どのような変化をたどってきたのか、その実態を記述する。

アジア・太平洋地域における日本の旧統治領には戦前・戦中に日本語を習得し、現在もその日本語能力を維持・運用する人々が存在する。彼らの使う日本語はどのような種類で、どのような変化のプロセスをたどってきたのか、フィールドワークの結果をふまえ、その実態を詳細に記述する。シリーズ1冊目である「台湾」の日本語は多言語社会の中でリンガフランカ(共通語)として使用されてきた。その日本語の変容は大変興味深く、日本語学の分野に新たな問題を提起している。

目次

第1章 台湾における日本語の普及
第2章 台湾に渡った日本語の現在
第3章 研究の理論的枠組みと調査概要
第4章 一人称代名詞
第5章 可能表現
第6章 否定辞
第7章 丁寧体
第8章 「でしょ」の新用法―新情報認知要求
第9章 台湾日本語の特徴およびその変容プロセス

著者等紹介

簡月真[カンゲッシン]
台湾国立東華大学副教授。大阪大学大学院修了。博士(文学、大阪大学)

真田信治[サナダシンジ]
大阪大学名誉教授/奈良大学教授。東北大学大学院修了。文学博士(大阪大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Koning

33
嘗て植民地支配の道具として持ち込まれた日本語。日本が居なくなって植民した日本人も大半が引き上げて来て民国政府は日本語禁止を政策として続けていたけれどどっこい少数民族間のリンガフランカとして生きてたよ!でもちゃんと研究してた人いなかったから研究しました。という本。いや、しかし言語ドメインによる言葉の切り替えとかもそうだけれど、嘗ていた日本人との会話で伝播した西日本の方言とか、現代日本語でも出てきた新情報認知要求的な「でしょ」の使い方とか、文化社会環境が違っても同じような進化もするのだなーという驚き。2016/11/10

Kotaka Yuji

1
異民族の共通語として、日本人が去った後も使われ続けた日本語の現在の姿。ネイティブスピーガーがいなくなったことで言語に独自の変化が起こる、というクレオール成立の理論とぴったり合致する。 宜蘭、行ってみたいな。2015/12/30

Kazuyuki Koishikawa

1
まもなく消滅するだろうけど意思疎通用の共通言語として残ってきたというのがおどろきだね。 あと〜あるとかの会話例が戦前の文献から引いた形で載っていたので面白かった。2013/02/20

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