出版社内容情報
トマス・ホッブズ[トマス ホッブズ]
著・文・その他
水田洋[ミズタヒロシ]
編集/翻訳
内容説明
巧妙な語り口で自分の主張を擁護する「トマス・ホッブズの弁明」、そして信仰内容を単純化することで論争の余地を封じた「異端についての歴史的説明と、それについての処罰」。主著『リヴァイアサン』で述べられた核心が凝縮された一冊。
目次
トマス・ホッブズの弁明
異端についての歴史的説明と、それについての処罰
著者等紹介
ホッブズ,トマス[ホッブズ,トマス][Hobbes,Thomas]
1588‐1679年。イギリスの哲学者、政治思想家
水田洋[ミズタヒロシ]
1919年、東京都生まれ。名古屋大学名誉教授、日本学士院会員。社会思想史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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左手爆弾
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ホッブズ晩年の宗教観や科学観がうかがえる。が、とりわけ第一論文の方は翻訳が読みにくい。あと、訳者の個人的な回想はとりとめも無い感じで書かれており、興味深い内容は含まれているがあまり有益ではない。とはいえ、ホッブズがイギリスにおいてラテン語をしゃべり立てて権力を掌握することと戦っていたということはわかる。2017/05/16
ねぎとろ
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翻訳が飲み込みにくいし、歴史的な背景にも疎いので本文はわかりにくかったが、ホッブズが自然状態による戦争を避けるために市民は絶対権力に服従せよと説いた、という丸山眞男らの理解を正すために翻訳したのだということはわかった。市民は自然権を留保しただけで必要があれば抵抗できるとホッブズは述べている、と水田は主張する。「保護してくれる限りでのみ服従する市民は、自然権にもとづいて抵抗する」(p114)。ホッブズとスミスの関係など訳者解説は勉強になったが、個人的な恨みつらみもちらほら。そういうのはどうなんだろうか。2013/08/04