出版社内容情報
小林 康夫[コバヤシ ヤスオ]
著・文・その他
内容説明
表象文化論の旗手のひとりとしてフランス現代思想や文学をその探究の主軸に据えてきた著者が坂口安吾、野坂昭如、石川淳、吉本隆明、田村隆一、大江健三郎、三島由紀夫、土方巽、唐十郎、寺山修司らを通じて、みずからの出自と青年期までの体験を同時代日本の文化的ありように折り重ね、戦後直後から一九七〇年までの戦後文化をダイナミックに論じる。著者の新たな思想展開の第一弾!
目次
第1幕 火、共同体の問い
第2幕 風、実存の問い
第3幕 黄金、暴力の問い
第4幕 バッカナール
第5幕 フィナーレ・逆立崩壊
著者等紹介
小林康夫[コバヤシヤスオ]
1950年東京生まれ。青山学院総合文化政策学大学院特任教授。東京大学名誉教授。現代哲学、表象文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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4
坂口安吾、吉本隆明、田村隆一、吉岡実、大江健三郎、安部公房、唐十郎……。僕にとって見逃せない対象を扱う本のようでしたので、期待して買いました。批評をオペラのように書くというのも面白い試み。しかし内容が……。もともと、小林康夫先生の文章は苦手だったのですが、この本ではいったい何がしたかったのでしょうか? 個々の分析は浅いし、特に強烈な読みが提示されているわけでもない。対象テキストをまともに読めば読者が普通にわかることを、どうしてこんなに無駄に「論じる」のでしょう。特権的肉体論の読解に関してだけは△。2016/04/11