出版社内容情報
〔ハーバーマスをめぐる論争史〕戦後ドイツ思想史を主導してきたユルゲン・ハーバーマスを軸に、彼がかかわった多様な論争を通じて現代ドイツ思想の射程を包括的に論じた力作。
内容説明
戦後ドイツの思想を今日にいたるまで主導してきたハーバーマスの思想の軌跡を追いながらルーマンとの社会システム論争やポパー、アルバートとの実証主義論争、ガーダマーとの解釈学論争、ポスト・モダン論争、歴史家論争など多様な問題における思想的格闘を「論争」という観点からとらえ直す。ハーバーマスの思想を通じてドイツ的思想の本質とその射程を包括的に論じた力作。
目次
1 ハーバーマスをめぐる論争史(廃墟のなかのベルリン;『公共性の構造転換』刊行まで;実証主義論争と第十五回ドイツ社会学会;解釈学論争とその周辺;ハーバーマスとドイツの急進的学生運動 ほか)
2 戦後ドイツ思想クロニクル
感想・レビュー
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うえ
3
ハーバマスの論争をまとめたもの。「1920年代のマールブルク大学の人文主義的な学問の綜合性は極めて高度なものだった。具体例を挙げることはとてもできないが、現在ではとても信じがたい学問的交遊があの狭い大学町で行われていたことは、驚異的ですらある。『真理と方法』には、こうしたガーダマーのマールブルク時代の記憶が揺曳しているといってよい。『真理と方法』の序論は、「もっぱら近代の科学が哲学的に解明し正当化してきた」「認識の概念および真理の概念」を、解釈学という精神科学の方法論に奪い返そうという熱情にあふれている」2025/02/11