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出版社内容情報
宮本 常一[ミヤモト ツネイチ]
著・文・その他
内容説明
この島の文化がいかにしていかなる努力によって築かれてきたか…景観に刻まれたいとなみの軌跡を三〇〇枚余の写真群を繰ってよみくとく…。
目次
ふるさとの村
大畠瀬戸付近
久賀付近
内海・浮島
沖浦・安下庄・立島
船越・外入・伊崎
地下室・佐連・沖家室・小積
森野
神浦・和佐・小泊
和田・内入
馬ケ原・油宇
伊保田・情島
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きいち
20
全国めぐるこのシリーズ、宮本常一がこれまでの佐渡や対馬と同じ扱いで真正面からふるさと周防大島を取り上げた一冊。故郷の村から周囲の属島までぐるりと、大字・集落単位での丁寧な記述と写真、とてもわかりやすい。◇屋根の瓦の押さえ方や田圃の畔の切り方、鎌の形などディティールの観察をもとにして、農・漁・林・塩といった生業、相続や祭祀などの社会構造を中世以来連続した歴史としてとらえていき、架橋やミカン栽培とリアルタイムの変化にプラグマティックに関わっていく。まるで宮本の問題意識が全てぶちこまれた縮図のような一冊。濃い。2014/08/31
HANA
3
著者の故郷でもある周防大島各地の記録。離島の人口減少という悩みはこの時代からもあったのだなと確認。出稼ぎと人口減少や交通機関の発達による寂れ方とかに関する考察は今も切実な問題として残っているのではないか。あと島の生活の変化を単純に拒むのではなく、それがそこに生きる人々の幸せにどう繋がるか常に考えている点で、単純に変化を拒む凡百の自称チシキ人との違いを感じた。2011/01/03