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出版社内容情報
宮本 常一[ミヤモト ツネイチ]
著・文・その他/写真
内容説明
たちはだかる自然力に挑みながら、時代時代の変化に対応して生きる山の民の賢明な姿と、むらを通る安房峠・野麦峠・境峠などの峠越しの古道を行き交った、ひと・もの・文化の歴史。
目次
島々
奈川ダム
奈川谷
奈川温泉
野麦のふもと
番所
檜峠の道
白骨温泉
梓川・上高地
境峠から薮原へ
松本付近
別所・上田
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
58
上高地とは銘打たれているものの、付近とついているとおり主にそこより南東部の山村についての記述が中心。とはいえそこが上高地について記した部分より遥かに面白い。上高地というある意味人工的に作られた場所より、そちらの方が古来より人々の生活に密着しており、それが著者の筆によって浮かび上がるからであるかなあ。鎌倉往還の寂れた写真やうらぶれた道を雨の中歩く箇所等は、寂寥感が身に沁みて特に印象に残る。あと著者の歩く時の様子や思想、調査時の様子等がシリーズ中一番表面に出てきているようにも思え、そちらもまた興味深かった。2017/03/30
ann
52
都立図書館からのため返却日ギリギリで流し読み。手元に置いてじっくり読みたい。昭和中期の調査。上高地とその周辺に生きる歴史。 2018/08/18
きいち
31
松本から西へ梓川・奈川を遡った地域を、林道開設にあたっての山林調査の一環で訪ねた旅の記録。飛騨へと通り抜ける道に沿った村々は、街道(もともとは往還、名の通り情報の行き交う場所)を通じて実は古来変化を重ねてきた場所、そこがまた、新たな変化を遂げようとしているその瞬間を切り取っていくような。ダムの工事現場、葺き替えられる屋根、無住となった家。今訪ねたら、また変わっているのだろうか、それとも?◇新版の最終配本ということで編者・香月の編集経緯を収録。これがいい、読むだけで一緒に携わっているような気分にしてくれる。2017/07/16
0
槍に登りに行った後、書店でふと見かけて。上高地乗鞍林道に伴う旧安曇・奈川村調査の話が中心(後半は木曽路・松本・上田)。既に昭和40年頃であるも、まだ私の思う昔からの風俗が残っていたらしい。しかし、それとても時代と共に変遷しており、山間の村は常に生活向上のためのエネルギーを持っていた。写真に写っている山々に、まだ人が入っていたのか、木々が少ないのが新鮮だ。都市から続く毛細血管の先のようになった今は、果たして良いのか悪いのか。2022/10/29
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