出版社内容情報
平野 嘉彦[ヒラノ ヨシヒコ]
著・文・その他
内容説明
「アウシュヴィッツ」という歴史の災厄をくぐり抜け、1970年にセーヌ川で自死した、戦後最大のドイツ語ユダヤ詩人、パウル・ツェラーン。その難解な詩作品には、死者からの呼びかけとともに、植物、とりわけ花の名称が頻出する。ベンヤミンの寓意的読解(アレゴレーゼ)に依拠しつつ、植物分類学とも言うべき狂気に満ちたツェラーンの詩学を、独自の自然誌の試みとして読み解く。当代随一の詩の読み手による、類を見ない画期的な論考。
目次
自然史と自然誌のはざまに
死の香り・死者の声
人々と書物が生きていた土地
同定・否定・変容
遍在する眼差
根をめぐる想念
抒情詩のアレゴレーゼ
植物分類表
著者等紹介
平野嘉彦[ヒラノヨシヒコ]
1947年生まれ。京都大学大学院博士課程修了。京都大学教授を経て、現在東京大学文学部教授。研究分野は、近代ドイツ抒情詩・東欧、中欧におけるドイツ語文学・フランクフルト学派の文学、芸術理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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