内容説明
多民族・多言語が同居する東欧の辺境都市チェルノヴィッツで、ユダヤ人の両親から生まれた戦後ヨーロッパを代表する詩人、ツェラーン。多感な少年時代を経て、ナチス侵攻の嵐のなか両親を強制収容所で殺され、戦後ブカレストからウィーン、パリと渡って世に出るまで、詩人の悲劇的な生と作品を決定づけた前半生を描く。いまやツェラーンを語るには欠かすことのできない、唯一の伝記。
目次
第1章 知られざる土地
第2章 わたしの名を呼べ
第3章 おまえがいるところは狭い
第4章 成長
第5章 それはひとつの自由だった
第6章 フランスの思い出
第7章 キリル文字
第8章 ベレニケの髪の輝き
第9章 奈落の底へ
第10章 異郷となった故郷