出版社内容情報
野上彌生子の文学の内面に入り、そこに内在するものを分析することにより、彼女の文学的・思想的原像に迫る。個別の作品論を通し彼女の自立した「近代精神」のありようを示す。
目次
写生・差異のコンポジション―『緑』『父親と三人の娘』
「右の眼」と「左の眼」―『父の死』
淋しい河のほとりの野の人・maternal tenderness―『洗礼の日』『彼女』『二人の小さいヴァガボンド』
随順と背反―『放火殺人犯』『霊魂の赤ん坊』
運命の貌、もしくはそのドラマティックな仕掛け―『助教授Bの幸福』
運命と倫理の親和性―『或る男の旅』
砕かれた魂―『海神丸』
決断へのまなざし―『大石良雄』
枕木の叫び・内と外と―『腐れかけた家』『若い息子』
内的視力の覚醒―『真知子』
時代と自己へのクリティシズム・対比と一致の構図―『迷路』
抱合と背反―『秀吉と利休』
近代的自由の肖像―『森』
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- 婦人画報 2023年10月号