出版社内容情報
かつて北の都に栄えた遊郭街に身を置き、苦界に生きねばならなかった元遊女からの聞書き。筆者は12年の歳月をかけて廓という特殊社会を織りなす哀切・凄惨な人生模様を描出。
内容説明
12年の歳月をかけた著者畢生の力作。かつて北の都に栄えた遊廓街、その苦界を生きた8人の昔遊女が語る、哀切で凄惨な廓社会の人生絵巻。
目次
1 綾(小菊;アーヤン;遊女さき;遊女やす;古鏡;旦那はタレカ者 ほか)
2 つつみ人形(お志野の嘆き木挽き唄;玲花の千草結び;三代売られ;千代子は消えた;女将さんの覚え書き ほか)
3 弥陀ケ原心中(夜鷹女郎よか;静香の嫁入り;喜久若師匠;幾代の語り ほか)
4 廓いろはうた(木彫仏と蔦奴;羅久の礼返し;金貸し美薗むかし女郎がたり;三味線とお〓;川獺 おさとの心に残る客 ほか)
「昭和遊女考」自註(綾さまのこと;加津さんの嘆き;生きる知恵それぞれ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
♪みどりpiyopiyo♪
23
大学生の頃に読みました。過酷な運命の中で辿り着いた諦念。せつないなぁ。 ■(ここ数日のニュースを見てて思い出しました。) https://twitter.com/chounamoul/status/1099120820171894784?s=21 https://twitter.com/nogawam/status/1099144909993308160?s=21
オーストラリアからやってきた福の神
5
読了。 8人の昔遊女だった人からの聞き書きされたものです。苦界で自ら得た人生哲学、その中で流した涙の重さは、私自身おしはかることも出来ないけれど、私はその人達のためにもこの資料に陽の目を見せて上げたいと念じています。 一読をお勧めします。2013/08/10
海
5
竹内智恵子「昭和遊女考」読了。貧しさから東北の遊廓に売られた8人の元遊女達への聞き語り。文体が鋭いわりに詩的な余韻を残す感じで遊女達の諦念が伝わってくる。年季が明けて大門の外に出ても9割は外の生活に馴染めず戻ってきたとか。哀しくて特殊な世界。2011/06/06
kotominn
2
聞きとりそのままの形でリアル。カワウソとか人形食いとか独特の言葉や風俗が興味深い。2011/02/01
岬
1
遊女とは何なのか。ずっと気になっていたけれどいざとなると気がひけて何も知ることが出来なかった。 この本でその片鱗を見せてもらうことができました。2016/04/19