出版社内容情報
我々は皆“法の帝国”の臣民である。法の根拠と法の効力を統合し、多様な理論と事例を検討しながら純一性としての法を擁護して、法の一般理論を築きあげた記念碑的大著の完訳。
内容説明
法の根拠と法の効力を統合し多様な理論と事例を検討しながら純一性としての法を擁護して法の一般理論を築きあげた記念碑的大著の、待望の完訳。
目次
第1章 法とは何か
第2章 解釈的諸概念
第3章 法理学再論
第4章 慣例主義(コンヴェンショナリズム)
第5章 プラズマティズムと擬人化
第6章 純一性
第7章 法における純一性
第8章 コモン・ロー
第9章 制定法
第10章 憲法
第11章 法を越える法
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
LM
2
【読書会】本書におけるドウォーキンの問題意識は、裁判実務においては「法とはなにか」についての見解の不一致(=理論的な見解の不一致)が生じることがあり、これを考えなければならないというものである。この問題意識は鋭いと思う。以後、ドウォーキンは裁判官の視点から「法とはなにか」について考察を加えることとしているが、ありうべき反論に応えながら立論するという書き方で書かれており、難解でかつ、のらりくらりとしているように思われた。2021/08/14
inu
2
学生時代から何度も読もうと思いながら挫折していた本をようやく完走できた。当然ながら一回読んだだけで理解できるわけがないので、関連書籍を読んだ後に再読したいがいつになることやら。しかしまあドゥオーキンは話が長い、もっとコンパクトにまとめてくれればいいのに。2021/02/20
Yuki
0
伝統的アカデミズムによる、法の効力(政治哲学)と法の根拠(法哲学)との分断を留保し、効力の発動を所与とした最善の法原理への問いと解釈の問題を議論する。本書の基軸となる「純一性としての法」という法観念が勘所ではあるが、第三の政治的徳目として、正義と公正の整合を図る「純一性」それ自体の理念的価値も評価・考察されるべきであろう。/他方、共同体主義との関係において、規範・文化・慣例等に内在する一般道徳に関する創造的解釈を、構成的な立場から展開するのであれば如何なるものか、といった政治哲学的領野にも関心が湧いた。2025/07/09