出版社内容情報
〔社会・政治・歴史〕現代ドイツの代表的歴史家が、時代に囚われながらも時代を超えているヴェーバーの思索と行動の軌跡をしめし、彼の思想と科学を一つの全体として把握する。
目次
1 限界状況にある自由主義者
2 「人民投票的指導者民主制」の概念について
3 アメリカ合衆国
4 普遍史的思考と政治的思考
5 資本主義と社会主義―マルクスとの対決
6 社会学的歴史と歴史的社会学
7 「理解」と「理念型」―歴史的社会科学の方法論について
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てれまこし
10
ウェーバーは自由を重んじるリベラルとされてるんだけど、自分が大学院で読んだ時にはまったく逆の印象を受けた。官僚制化という社会の客観的傾向によって個人は押しつぶされていく。唯一カリスマ指導者という形で個人の自由を救い出そうとしてるようだけど、それが後のヒトラーやムソリーニを彷彿とさせて、いかにも安易な、社会科学者らしからぬ解決に思えた。しかし本書を読んでようやくわかった。彼のカリスマ政治学は宗教社会学や科学的方法論ともに、個人が人格として歴史を選択する自由と責任という一貫した歴史哲学、柳田に近い哲学がある。2023/07/05